▼▼▼▼▼ホンジュラス(HON)で、権力とつながる強者から土地を奪われた貧農たちを支援していた人権派弁護士アントニオ・トゥレホ(41)が9月22日夜、首都テグシガルパのトンコンティン国際空港近くで暗殺された。至近距離から頭部などを銃撃された。
▼トゥレホは、アグアーン盆地で土地奪回闘争を続ける「アグアーン土地回復真正運動」(MARCA=マルカ)の顧問弁護士だった。
▼事件の背景には、富裕な大土地所有者や農産業経営者が司法当局と癒着して、貧農たちから土地を奪い、アフリカ椰子などの栽培地にしているという近年の事情がある。
▼トゥレホは今年6月末、土地を奪われた農民側の勝訴を実現させた。だが、その判決は高裁で葬られた。トゥレホは、土地を奪う側を糾弾し続け、死の強迫を何度も受けていた。
▼米国務省は、HON政府に今回の暗殺事件の徹底捜査を求めるとともに、捜査協力を申し出た。国連人権高等弁務官事務所は、犯罪者の無処罰をなくすよう、HON政府に求めた。
▼この種の政治的殺人は、この国では珍しいことではない。マヌエル・セラヤ元大統領は、富裕層に属しながら富裕層に歯向かって政権を追われたが、26日、HONには「エスクアドロン・デ・ムエルテ」(専門的殺し屋集団)がある、と語った。