★在英エクアドール大使館に亡命しているウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏の身柄をどうするか、という問題は、英政府が亡命を認めず、身柄のスェーデン移送を主張して膠着状態にあるが、エクアドールは事態打開のため一つの提案をした。
★スウェーデン政府は、アサンジが「女性2人に性的暴行をした」とされる事件で同氏の身柄引き渡しを英政府に要求している。だがエクアドールは、アサンジの身柄が次いで第3国(米国)に送られる危険性が濃厚だとして、スウェーデンへの引き渡しに反対してきた。ウィキリークスによって膨大な量の外交機密をすっぱ抜かれた米政府は、厳しく追及する構えを見せている。
★リカルド・パティーニョ外相は9月21日、英政府がアサンジの身柄を逮捕せず、エクアドールの在スウェーデン大使館に身柄を安全に移動させることに同意すれば、事態の打開は可能だとの立場だ。身柄を米国に送られずに、在スウェーデン大使館で現地検察の事情聴取に応じることができるようになる、というのが理由だ。
★同外相は27日、この提案を柱に国連本部でウィリアム・ヘイグ英外相と会談することも明らかにした。
★英政府が、エクアドールが提示する条件の下で身柄をスウェーデンに移送することに同意しない場合、スウェーデン検察が在英大使館で事情聴取する選択肢も残されている、ともパティーニョは語っている。
★外相はまた、「女性暴行事件」で決め手となるDNA鑑定について、「驚くに値する新事実があるかもしれない」と示唆した。