★日中間の尖閣問題で、幾つかのスペイン語メディアは次のように報じている。
☆スペインのABC紙は9月24日、「中国と日本―勝者なき紛争」と題して、以下のように論評した。「従来、両国は経済的利益を重視し、緊張を一定程度に抑え込んでいた。だが今回は日本が尖閣諸島を国有化したことで、様相が異なるようだ」、「だが中国は日本の資本と技術を必要とし、日本は中国という巨大市場を必要としている。だから事態が悪化すれば、双方が敗者となる」。
★同紙はまた、「両国貿易は過去10年間に3倍に増え、去年は往復3450億ドルだった。日本は中国にとって米国に次ぐ貿易相手国(9%)だが、中国は日本の最大の相手国(21%)だ」と前置きして、「事態が悪化すれば、日本が受ける打撃の方が大きい」との中国の論評を紹介した。
☆スペイン・アラゴン州のエル・ペリオディコ紙は24日、「侍の忍耐に竜が威力行使」と題して、紛争に至る歴史的経緯を報じた。
★スペインのエル・パイース紙は23日、「1968年の尖閣海底油田発見の直後から中台が領有権を主張し始めた」と指摘しながらも、「経済的繁栄を享受し続けたい両国の、巨大な相互依存性と補完性の大切さが、双方に相互理解を義務付けている」と強調した。
☆コスタ・リカのラ・ナシオン紙は23日、「今回の国防長官の日中歴訪に見られるように、米政府の両国への配慮が問題の複雑さを示している」として、「米国は同盟国防衛を義務づけられながらも、中国の怒りを買わないように努めている」と指摘した。
★コロンビアの週刊誌セマーナは23日、「今回の尖閣紛争は、中国の膨張主義だけが原因ではない。中国最高指導部が交代する微妙な時期に、日本を(悪役として)使い、国論統一を図った」と分析した。さらに、「日本も2大政党の党首選挙期にあるが、日本人は尖閣問題よりも、景気後退や原発全廃問題の方に関心が強いようだ」と論評した。
☆一方、中国電子情報CRIが24日伝えたところでは、ドイツラジオ放送は、「日本が第2次世界大戦で侵略者として犯した過ちを真摯に反省しないかぎり、尖閣問題は解決しない」と論評した。
★同放送は、「日本は戦後、ドイツと違って、適切な方法で歴史を認めたことがない。それが尖閣・竹島問題に反映されている」、「日本政府には、領土問題に関する政策を定める実利的発想が欠けている」とも分析した。