国連公認のNGOピースボート(PB)が企画し、旅行代理店ジャパン・グレイス(JG)が運営する世界一周船には、「水先案内人」(水案)と呼ばれる船上講師が交代で乗船する。国際情勢、沖縄、環境、人権・反差別、軍事・反核、教育、世界遺産などの語り手から、冒険家、奇術師、落語家、俳優、音楽家、スポーツ選手、画家、歌手、料理評論家、自立生活者などまで、様々な分野の専門家たち約70人である。
その望年会が12月7日、昨年に続いて、横浜港大桟橋停泊中のPB「オーシャン・ドゥリーム号」の船内で開かれた。初代ルポライター鎌田慧、フォトジャーナリスト豊田直巳らジャーナリズム関係者を始め、アニメーション作家や細川佳代子(元首相夫人)ら40人が集い、PB・JGスタッフと歓談した。軍事ジャーナリスト前田哲男は珍しく欠席。落語家古今亭菊千代も多忙で不参加だった。
昨年3月死去したアイヌ研究・文化運動推進者の計良光範、今年10月死去した登山家田部井淳子の不在を感じた。親しい水案仲間だった。
PBの旅客船運航は1983年に始まった。それから数えて100回目の記念航海が2018年12月から96日間、アフリカ・南米南端周りで実施される。この南周り航海の内容が望年会場であらためて発表された。
私は92回航海をホノルルで切り上げ11月半ば過ぎに帰国したばかりだったが、20日ぶりに船上で仲間たちと再会できた。船は明日9日、南周りの第93回航海に乗客1000人乗せて出航する。
その中にはシンガポール、上海、台湾などの華人客が60人含まれている。従来の英西両語に加え、中国語通訳も乗船する。今後、乗客の多国籍化が急速に進むと見られており、水案講座の主題も変化してゆくだろう。