コロンビア憲法裁判所は12月13日、サントス政権とFARC(コロンビア革命軍)が結んだ内戦終結のための最終和平合意の国会審議を大幅に短縮するための包括的審議(ファーストトラック)を合憲と認めた。国会が6月、同審議を可決していた。
これを受けてJMサントス大統領は同日上院に、内戦中、戦争犯罪、人道犯罪など重罪を除く罪を犯した者を恩赦もしくは赦免する法案を提出した。
憲法裁はまた、和平合意を次期政権以降の政権が遵守するようにすることなどのため、大統領政令を法令と同一効力を持つようにすることを認めた。
FARCは12月2日以降、国内の予備集結地に集合しつつある。そこから最終集結地に入り、関係立法を待って、武装解除と社会復帰を同日から180日以内に完了することになっている。
2018年に次期大統領と国会議員の選挙があるため、政党化してゆくFARCとしては、17年前半中に関係諸法が成立発効するのを望んでいる。FARC指導部は13日、和平合意に異議を唱える司令級幹部5人を追放した。
コロンビアでは今年、労組・人権・環境運動などの社会的指導者が94人殺され、28人が負傷し、279人が脅迫された。これを受けて、米連邦下院の人権派ジム・マクガヴァンら議員38人が連名で、ジョン・ケリー国務長官に対処を求めた。
一方、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は13日、通貨ボリーバル・フエルテ(bf)の新旧紙幣交換に際し、コロンビアとの国境を72時間閉鎖する命令を発した。
ベネスエラはまず、現行の100bf紙幣(公定15米セント、闇で同2セント)を回収しているが、コロンビアの組織犯罪団が同紙幣を大量にコロンビア国内に持ち去り隠匿している事実を確認、国境閉鎖に踏み切った。
15日からは1万bf、2万bfなど高額紙幣が段階的に流通してゆく。ベネスエラは超インフレに苛まれており、紙切れ同然の価値しか持たなくなった旧紙幣では買い物や取引が困難になっていた。だが、いずれデノミネーションが来ると予測されている。
▼ラ米短信 ◎次期ブラジル大統領最有力者はルーラ元大統領
伯紙フォーリャデサンパウロは12月13日、世論調査結果を公表。2018年実施の次期大統領選挙の予想出馬者の中で、労働者党(PT)のルイス=イナシオ・ルーラ=ダ・シルヴァ元大統領が支持率25%で人気一番手になった。
2位は、「持続可能網」(REDE)のマリーナ・シルヴァ15%、3位は、伯社民党(PSDB)のアエシオ・ネヴェス11%。不人気のミシェル・テメル現大統領(伯民主運動党=PMDB)は、4%で6位だった。