2016年12月3日土曜日

フィデル・カストロ氏の遺骨、故郷オルギン州を通過

 フィデル・カストロ以下82人のゲリラ戦士を乗せたクルーザー「グランマ号」がクーバ島東部の海岸に到着、革命戦争が始まってから12月2日で丸60年。この日はクーバ革命軍創立記念日になっているが、同日フィデルの遺骨を展示行脚中の車列は、オルギン州都オルギンを通過した。

 同市から50km離れた同州内のビラーン村にはフィデルの復元された生家があるが、車列は同村は通過しなかった。私生活面を表に出すのを極度に嫌っていたフィデルの意向を、実弟ラウール議長が汲んだのだ。

 車列は11月30日ハバナを出発してからマタンサス、サンタクラーラ、シエンフエゴスなどを回ったが、サンタクラーラ市入口にあるチェ・ゲバラ広場を通過した際、「両雄が再会した」とテレビアナウンサーは伝えた。車列は3日サンティアゴデクーバ市に到着、アントニオ・マセオ革命広場で告別式が挙行され、遺骨は4日埋葬される。

 ボリビアのエボ・モラエス大統領は2日、同国コチャバンバ州内で開かれている第2回世界反帝国主義青年会議の開会式で演説、3日のサンティアゴデクーバでの告別式にラウール議長から招待されており、参列すると述べた。同大統領は11月29日のハバナでの国葬にも参列している。

▼ラ米短信  ◎FARCにも医療保険適用へ

 コロンビア政府は12月2日、武装解除し社会復帰するFARCゲリラ要員は、集結地で国連機関に登録すれば医療保険の恩恵に与かることができる、と明らかにした。この措置は11月30日に遡って適用される。

▼ラ米短信  ◎ウルグアイ政府が、ベネスエラは依然メルコスール加盟国と言明

 ウルグアイのホセ・カンセラ副外相は12月2日、ベネスエラは投票権はないが発言権はあるメルコスール加盟国だ、と述べた。副外相はまた、このウルグアイの立場は、他の加盟国(ブラジル、亜国、パラグアイ)と異なる、と指摘した。

 同3国は、いずれも保守・右翼政権化にあり、マドゥーロ左翼政権のベネスエラをメルコスールから追放しようとしている。

 カンセラ副外相は、ベネスエラは加盟国が批准すべきメルコスール規定1159項目のうち931に承認加盟しているが、228項目に依然加盟していない、と明らかにした。

 ベネスエラ政府は、同228項目のうち117項目は承認できないと通告している。その中には、マドゥーロ政権への揺さぶり工作に応用されうる「人権規定」も含まれている。

 ブラジルなど3国は、117項目への不参加を理由にベネスエラの加盟資格停止を強行。さらに追放しようと工作している。