ブラジルで実施された最新の世論調査の結果が12月11日公表された。それによると、ミシェル・テメル大統領の支持率は10%だった。63%は即時辞任を要求。34%は「まあまあ我慢できる」だった。
これを受けて、野党PT(労働者党)は同日、国会下院でテメル即時辞任と大統領直接選挙実施を要求した。最大政党PMDB(伯民主運動党)のテメルは、些細な理由でヂウマ・ルセフ前大統領(PT)を8月末、弾劾に持ち込み、政権に就いた。テメルは副大統領として弾劾裁判中、大統領権限を代行していた。
テメルの不人気は、前大統領弾劾がPT長期政権を潰すためのPMDBなどによる陰謀に基づく事実上のクーデターだったことや、テメルの汚職、経済後退などによる。
テメルは国営石油会社ペトロブラスから巨額の賄賂を受け取ったとして取り調べ対象者に含まれている。同社汚職事件と絡む建設最大手オデブレヒト社の元幹部は最近、法廷で、2014年にテメルから300万ドルを要求されたと証言した。テメルは否定したが、収賄疑惑は一層強まっている。
世論調査のテメル施政に関する設問には、40%が施政悪化と回答。34%が変わらない、21%が良くなったと答えた。経済状況では65%が悪化、20%が安定、9%が良くなった、だった。
テメル政権の閣僚は既に6人辞任、うち4人は腐敗が理由だった。11月末にはテメルの側近、ジュエル・リマ大統領府長官が、自身の不動産処理のために職権を濫用した事実が暴露され、辞任に追い込まれた。
またテメルの盟友、レナーン・カリェイロス上院議長(PMDB)は腐敗により今月5日、最高裁から議長職務停止命令を受けたが、テメルらの支持で居座った。最高裁は腰砕けで7日、命令を覆した。だがカリェイロスは犯罪容疑者であるため大統領地位継承権を剥奪された。