2016年12月27日火曜日

コロンビアがNATOと協力合意に向け交渉開始へ

 コロンビアのJMサントス大統領は12月23日、国軍へのナビダー(クリスマス)の祝辞で、コロンビアは北大西洋条約機構(OTAN=NATO)から加盟国外の協力国として協力交渉をすることを承認された、と明らかにした。

 コロンビアはウリーベ前政権期末からOTANに対し、情報交換と組織犯罪対策で協力関係を結ぶよう働きかけてきた。OTANは、サントス政権がFARCとの内戦和平合意に達したのを受けて、協力交渉開始を受け入れた。

 OTAN側には、従来と異なる形でOTANに対応する意志を示しているトランプ次期米政権を牽制する意図もある。コロンビアは、米国にとり、南米で唯一の明確な軍事同盟国である。

 これに対しベネスエラ外務省は26日、南米に不安定要因および戦争要因を広めることになり、断固反対し糾弾する、との声明を発表した。また、サントスが2010年に故ウーゴ・チャベス大統領との会談で、OTANとの交渉は進めないと伝えた外交上の約束にも反する、と非難した。

 さらに、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)はLAC(ラ米・カリブ)地域を「平和地域」と宣言しており、CELAC加盟国のコロンビアは、同宣言の精神にも反しており、南米諸国連合(ウナスール)、非同盟諸国運動の精神にも反する、と厳しく指摘した。

▼ラ米短信  ◎クーバの2016年重要ニュース

 クーバ国営ラディオ・アバーナ・クーバ(ハバナ放送=RHC)は12月26日、今年の同国重要ニュース10項目を発表した。トップに11月25日の革命指導者フィデル・カストロ前国家評議会議長の死去を置いたほかは、時系列的に並べている。

 2月11日、ロシア正教のクリル大主教来訪および12日ハバナ空港での同大主教とローマ法王フランシスコとの歴史的会談。両宗教指導者の会談は、1054年の「大分裂」以来初めて。

 3月20~22日、バラク・オバーマ米大統領来訪。1928年にカリヴィン・クールリッジ大統領が第6回汎米会議出席のため訪れて以来88年ぶりの米大統領来訪。

 4月16~19日、第7回クーバ共産党(PCC)大会。新しいクーバ社会主義モデルの概念化策定を決議。

 5月1日、ハバナ放送創立55周年。

 6月7日、ハバナが世界の「素晴らしい都市」に指定される。

 9月、クーバ製皮膚癌用薬品「エベルフェロン」の使用が薬品登録されている諸国で認可される。

 10月5日、グアンタナモ州がウラカン(ハリケーン)・マシューに見舞われ、6300万ドルの被害出る。

 10月26日、国連総会での経済封鎖解除要求決議が賛成191カ国、反対無し、棄権2で採択された。米国とイスラエルは初めて    反対せず棄権した。

 11月14日、受刑囚787人を赦免。殺人、強姦など重罪犯は赦免対象から除外。

 11月25日、★フィデル・カストロ死去。