メヒコ・ゲレロ州アヨツィナパの教員養成学校の学生43人が同州イグアラ市で強制失踪させられた事件発生から丸9カ月経った6月26日、同州、首都メヒコ市をはじめ全国各地で、事件解明を政府に要求する抗議行動が展開された。
メヒコ市では被害者家族会、教員、学生、労働者、一般市民ら多数が独立記念碑前で集会を開いた後、アラメダ中央公園、国立劇場前まで行進した。首都警察は厳戒態勢を敷いた。
家族会代表のフェリーペ・デラクルースは、「政府は我々が諦めると思っているが大間違いだ。43人は我々の希望であり命だ」と語り、事件解明を求め続けていくと強調した。
ゲレロ州都チルパンシンゴでも抗議行進があった。臨時州知事は、「事件の傷口は開かれ血にまみれている」として、司法による決着が必要だと述べた。抗議行動は、米国とカナダのメヒコ人社会でも行われた、と伝えられる。
一方、メヒコ国立自治大学(UNAM)で24日開かれた「人類義務憲章創設のための思索家会合」に参加したスペイン人法律家(元判事)バルタサル・ガルソンは、学生43人失踪事件について、「人類の恥だ」と指摘した。