エクアドールでラファエル・コレア大統領の4選阻止を目指す保守・右翼勢力の街頭政治運動が激化している。10日にはキトの商店街で反政府派が政府支持派を攻撃し、元文化相フランシスコ・ベラスコ、警官数人らが負傷した。
反政府派は、コレア大統領が掲げる「富再分配計画」の柱である相続税改正法案と物価騰貴税法案への反対を契機に立ちあがった。狙いは、コレアが出馬を予定している2017年の次期大統領選挙だ。
この国には1927年から相続税法がある。現在は6万8800ドル(エクアドール通過も米ドル)以上の相続が対象だが、大統領は3万5400ドル以上を対象にしようとしている。もう一つの法案は、物価上昇で膨らんだ利益に課税するもの。
エクアドールの企業の80%は同族経営とされ、両方の課税の対象者には、その同族および関係者が多い。かつては、そのような有産層から大統領が出ることが多かった。
しかし、コレアの政権党パイース同盟(AP)は有権者の55%以上を握る多数派。だからコレアは連続当選を続けてきた。
ラ米では合法政権を、反政府行動を通じて倒す陰謀が盛んで、拠点はマイアミなどにある。今世紀になってからオンドゥーラス、パラグアイの合法政権が倒され、ボリビア、ベネスエラ、ブラジルなどで政権打倒運動が起きてきた。
メヒコなど幾つかの国では、勝った候補を負けたことにして負けた勢力が政権を奪う荒業も用いられている。