2015年6月21日日曜日

ブラジル大統領がベネズエラへの内政干渉を批判

 ベネスエラ国会のタニア・ディアス第2副議長は6月19日、同国とブラジルの友好関係は、ベネスエラ極右勢力の運動に加担する一部ブラジル議員たちによって傷つけられてはならない、と述べた。

 これは、ブラジル野党・民社党(PSDB)のアエシオ・ネヴェス上院議員(元大統領候補)を団長とするブラジル国会議員団が18日、カラカス国際空港からカラカス市に向かう自動車道で、ベネスエラ政府支持派の群衆によって進路を阻まれ、空港に引き返し帰国した出来事を踏まえている。
 
 ベネスエラでは早ければ9月27日、遅ければ12月末までに実施される国会議員選挙を控え政治の季節にあり、ニコラース・マドゥーロ大統領のチャベス主義政権に敵対する野党勢力は、国外の保守・右翼勢力と連携して、同政権に不利な状況を醸し出そうとしている。

 議員団は、43人の死者を出した昨年のグアリンバ(街頭暴力)や、ことしの軍事クーデター誘発未遂事件への関与容疑で逮捕され起訴されているベネスエラの極右政治家らに面会しようと目論んでいた。

 ディアス副議長は、我々はブラジル議員の立場を尊重するが、我が国の司法も尊重してほしい、と語った。また、右翼と連動する伯議員団の行動を、南米統合の動きを妨げ、ベネスエラを孤立させようと狙うもの、と指摘した。

 一方、ブラジル政府は19日、18日の出来事についてベネスエラ政府に説明を求めた。だがカラカスを本拠とするテレスール放送がブラジル国内の報道を基に19日伝えたところでは、ヂウマ・ルセフ伯大統領は、ネヴェス議員らの行動について、ベネスエラの主権に挑む行為、と批判した。

 同放送によると、ルセフ大統領はまた、ネヴェス一行はブラジル政府に恥をかかせる罠を仕掛けたのではないか、と非難した。

 因みにルセフは30日、ワシントンでバラク・オバーマ大統領との首脳会談に臨む。ブラジル政府に対する米政府による電子スパイ活動が暴露されたため、伯米首脳会談は長らく延期されていた。