ローマで開催中の国連食糧農業機関(FAO)首脳会議で6月8日、極貧率が2004年の12・2%から5・4%に減ったベネスエラが表彰された。ホルヘ・アレアサ副大統領が表彰状を受けた。
ベネスエラの栄養失調も、チェベス政権登場前年1998年の21%から2010年の3・83%に減っている。
一方ブルッセルでは10~11両日、第2回CELAC・EU首脳会議が開かれる。これを前に8日、現地入りした玖副外相アベラルド・モレーノは、CELACとEUの見解の最大の相違はベネスエラ情勢の受け止め方にある、と指摘した。
玖副外相は、われわれCELACは一致して米国のベネスエラ干渉政策をはねつけたが、この点でEUの立場とは位置していない、と述べた。
モレーノはまた、気候変動、核軍縮でも相違点があるとし、EUは第2回CELAC首脳会議(14年1月ハバナ開催)が宣言した「ラ米・カリブ平和地域」を認めるべきだ、と訴えた。
さらに、「両地域は文化が異なり、政治問題で常に一致するわけではない」とも語った。
その典型が、7日カラカス入りしたフェリーペ・ゴンサレス元スペイン首相のベネスエラ野党支持の言動だ。元首相は7日、軍事クーデター誘導未遂事件関与で自宅軟禁されているアントニオ・レデスマ(カラカス首都圏市長停職中)に面会後、記者団に、問題解決には対話が必要だと強調するととも、「政治囚」解放に努力する立場を明確にした。
これに対し、犯罪者免罪を認めない政府支持派は、「政治囚でなく、囚われた政治家だ」と反駁。野党連合など反政府勢力およびゴンサレスら外国の元首脳らによる政治家免罪・解放要求を突っぱねている。
ベネスエラでは財界による物流規制などにより物資不足が悪化している。当局は連日のように、各種生活必需品の隠匿現場を摘発している。
政府は、これを「経済戦争」と呼んでいる。反政府勢力にとっては政権揺さぶり工作であり、年末の国会議員選挙で保守・右翼候補を勝たせるための戦術でもある。
国際航空運輸協会(IATA)は8日、ベネスエラ政府は外国航空会社に総額37億ドルの債務がある、と明らかにした。ベネスエラでは航空切符は通貨ボリーバルで売られ、後に政府が米ドルと交換する制度となっているが、交換が滞り、この額に達した。