2015年5月28日木曜日

メキシコ学生43人強制失踪事件から8カ月経過

 メヒコの教員養成学校生43人が強制失踪させられた事件の発生から5月26日で8カ月経った。学生1人の遺骨の身元が判明しただけで、42人は「行方不明」のままだ。だが政府は、43人全員が殺害され遺体が焼かれた、と断定している。

 発生8カ月に際し、遺族、被害者家族、学生、教員らは全国で連帯と政府糾弾のため行進した。メヒコ市では、レフォルマ大通りからベニート・フアレス碑にかけて抗議行進があった。警察機動隊が出動、中心部の憲法広場(ソカロ)に進むの催涙ガスでを阻んだ。

 憲法広場に面した大統領政庁では国賓ブラジル大統領歓迎の晩餐会が予定されていたことななどから、抗議行進は前進を阻止された。

 グアテマラ人ノーベル平和賞受賞者リゴベルタ・メンチューはこの日、メヒコ市での犠牲者家族らとの会合で連帯し、真実を語るよう呼び掛けた。

 犠牲者家族会の代表は、政府が家族会分断のため、住宅や現金と引き換えに「悲しみを忘れるよう」働きかけてきている、と暴露した。

 一方、事件未解決で批判の矢面に立たされているエンリケ・ペニャ=ニエト大統領は27日、「国家腐敗取締機構」を設置する改憲条項を公布した。向こう1年内に関連法を整備するという。

 この日、メヒコペソは1米ドル=15・65ペソとなった。