チレのミチェルバチェレー大統領は5月29日、教育改革の一環として、「金儲けのための私学教育」の比重を減らしていく教育改革法を施行した。
公共教育における父兄・学生側負担を2016年から段階的に減らし、国家予算で教育を賄う制度に戻していく。ピノチェー軍政以降、新自由主義政策への急傾斜で教育も「商売」と化し、教育を享受するのに富裕層が有利となり、貧富格差固定化の重大な要因になってきた。
新法は、教育が高価であるがゆえに富裕層に偏りがちな「学校選択の自由」を、万人に与えるのも目的とする。貧しい家庭の中等生の多くは、奨学金で大学に行くことが可能になる。
政府は今後も教育改革の手を打っていくが、今回の改革法が不十分だとする大学生、中等生は首都サンティアゴや港街バルパライソ市などで抗議デモを続けてきた。29日にも首都で大規模な抗議行動があり、学生170人が逮捕された。