2015年5月19日火曜日

ベネズエラ野党連合の予備選結果判明

 ベネスエラの保守・右翼野党22党が結成している「民主連合会議」(MUD=ムドゥ)は5月18日、前日実施した国会議員候補42人指名のための予備選挙の結果を発表した。

 ミランダ州知事エンリケ・カプリーレス(元大統領候補)の率いる右翼「まず正義を」党(PJ)が42人中13人を確保した。次いで、街頭暴力扇動罪などで起訴され係争中の極右レオポルド・ロペスの政党「国民意志」(VP)が8人、中道保守の伝統政党「民主行動党」(AD)が7人を、それぞれ確保した。残る14人は弱小政党が分け合った。

 MUD執行書記ヘスース・トレアルバは、MUDの前回予備選挙(2010年)に参加した有権者は31万人強だったが、今回は64万人に達した、と明らかにした。

 これに対し、政権党ベネスエラ統一社会党(PSUV=ペスーブ)は、実際は54万人なのに10万人を上乗せして発表した、と非難している。PSUVは6月28日に予備選挙を実施する。

 一方、米紙WSJが18日報じたところでは、ニューヨークとマイアミの検察および麻薬捜査局(DEA)は、ディオスダード・カベージョ国会議長、タレク・エルアイサミ元内相(現アラグア州知事)らベネスエラの高官12人を麻薬取引容疑で捜査中。

 米当局は昨年末、米国に亡命したカベージョの元側近レムジー・サラサールの証言などを基に捜査してきた。カラカスの米大使館要員はベネスエラ軍将校らの脱走亡命を働きかけており、サラサールはその結果亡命した一人。

 米政府は昨年来、ベネスエラの反体制派を使って軍事クーデターを誘発しマドゥーロ政権を倒す工作に失敗してきた。このため、麻薬問題でベネスエラ政府に揺さぶりをかけている。

 スペインの極右紙ABCはこれまで、サラサールとのインタビューを含め、ベネスエラ高官らの「麻薬疑惑」を伝えてきた。これを転載したベネスエラの3メディア、タルクアル紙、エル・ナシオナル紙、電子紙ラ・パティージャをカベージョ議長は4月21日、名誉棄損で告訴している。