サンサルバドールで5月23日、故オスカル・ロメーロ大司教を福者に認定する式典が催された。会場の市内「世界救世主広場」にはカトリックの信者30万人が集まった。米加州など国外から駆けつけたサルバドール人たちもいた。
ロメーロは1980年3月24日、市内の病院礼拝所でミサをしていたさなか、凶弾に倒れた。
大司教は、軍民の極右勢力が政権を牛耳り市民を弾圧していた状況を批判し、貧者の味方であることを明確にしていたため、暗殺された。後の調査で、極右勢力を率いていた故ロベルト・ダウビソンが事件の黒幕と判明した。
法王フランシスコの代理アンジェロ・アマト枢機卿は、「アメリカ(米州)の健全性を象徴する輝く星」と故大司教を讃えた。「不可能を可能にした殉教者」などの称賛する言葉も聞かれた。
エル・サルバドール内戦は、ロメーロ暗殺によって始まり、92年末まで続いた。
式典には、サルバドール・サンチェス=セレーン大統領のほか、エクアドール大統領ラファエル・コレア、パナマ大統領JCバレラ、玖第一副議長ミゲル・ディアスカネルら来賓多数が出席した。黒幕ダウビソンの長男や、姉妹も出席した。亜国大統領、米大統領ら各国首脳からのメンサヘ(メッセージ)も届いた。
殉教者ロメーロの福者認定は、国内和解の新しい象徴と位置付けられている。