2015年3月6日金曜日

フィデル・カストロの標語「祖国か死か」が55周年

 ハバナ港で武器を満載していた貨物船クーブル号が1960年に爆破された事件発生を受けたフィデル・カストロ演説から3月5日で55年が過ぎた。

 当時のカストロ首相は、CIAの謀略と見なされるこの事件を糾弾する演説で、「今後のディスユンティーバ(二者択一)のスローガンは<祖国か死か>になる」と述べ、以後、2006年7月に行政の第一線を退くまで、演説の締めくくりに「祖国か死か」を用いた。

 この事件で102人が死亡した。その葬儀の場で、彼方を見詰めるチェ・ゲバラの、かの有名な写真が写真家コルダによって撮影された。

 「祖国か死か」は「パトゥリア・オ・ムエルテ」。だが「パトゥリア」を「パトゥリオティズモ(愛国主義)」と混同してか、あるいは意図的にか、フィデルの標語を「愛国か死か」と変えてしまう訳語が日本のテレビ放送や訳書で増えている。

 悪貨に良貨を駆逐させてはならない。誤訳ないし意図的誤訳を用いないよう注意してほしい。