キトで3月19日、先住民を主体とする労働者4500人が、コレア政権の政策に反対するデモ行進を雨中展開した。「労働者統一戦線」(FUT)が組織し、先住民連盟(CONAIE=コナイエ)や教員労組が参加した。
彼らは、労組内選挙の「民主化」を要求する政府を「労働運動規制」として反発し、労組の権利を尊重する新しい労組法制定を要求している。
また油田や鉱山の開発を進めたい政府の「土地法」案にも、先住民共有地が侵害され自然環境が破壊されるとして、反対してきた。
ラファエル・コレア大統領が意図する、大統領無制限再選制の導入にも反対している。世論調査によると、有権者の81%は、同制度導入の是非は国民投票で決めるべきだ、と考えている。
歳入の多くを原油に依存する産油国エクアドールは、昨年末以来の国際原油価格の低迷で、経済は苦境にある。これが民衆の不満の背景にある。
コレア大統領は歳出を14億ドル余り削減し、高級公務員の給与を10%引き下げた。また輸入品目の3分の1に輸入税45%をかけた。
デモ隊はこの日、キトで今週2度目の抗議行動に出たもので、大統領政庁(カロンデレー宮)に隣接するサンフランシスコ広場で火炎瓶を投げるなどして気勢を挙げ、警察機動隊と対峙した。警察は騎馬警察部隊を出動させ、政庁付近からデモ隊を遠ざけた。3人が負傷し、13人が逮捕された。
コレア大統領はキト南方160kmのリオバンバ市を訪問していたが、大統領の車列に投石があり、2人が負傷し、11人が逮捕された。
反政府行動は昨年9月から断続的に続いてきた。その9月には警官34人が負傷し、53人が逮捕されている。