2015年3月24日火曜日

「ベネズエラは米国の脅威でない」と大多数が認識

 ベネスエラ政府は3月23日、全国で民兵3万人が「戦闘グループ」を結成した、と明らかにした。またバラク・オバーマ米大統領に、「ベネスエラは米国の安全にとり脅威」とした9日の政令を撤回するよう求める呼び掛けに230万人が既に賛同した、と発表した。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は、この撤回を求める1000万人署名運動を展開している。日本でもベネスエラ大使館が中心となって署名運動をしており、NGOなどに協力を求めている。

 ベネスエラ政府は4月10日開始の第7回米州首脳会議まで署名運動を展開し、同会議に出席するオバーマに手渡すことにしている。全国1万4000か所にあるボリーバル広場が署名場になっている。

 国営テレスール放送が22日伝えた国内世論調査結果は、ベネスエラ人有権者の86%は、ベネスエラは米国の脅威になりえない、との認識だ。脅威だと米側主張に同意したのは11%だった。

 94%はマドゥーロ政権を倒すための米軍侵略に反対。5%だけは賛成した。

 マドゥーロは、米政府の政令を「軍事介入の前兆」と捉え、安全保障関係の政令を自由に発動できる「反帝国主義授権法」の制定を国会に要請し、9か月間認められた。これに58%が賛成した。

 米国による内政干渉には81%が反対、16%が賛成した。米国に好意を持つ者は27%で、
60%は持っていない。

 64%は、米国による脅威に対抗しているマドウーロ政権を支持。27%は支持していない。

 オバーマは、ベネズエラでの「人権侵害」を理由に「米国の安全にとり脅威」とし、あまりに唐突で理不尽なため、理解を得られないでいる。

 黒人を射殺した白人警官たちが起訴されないことや、クーバにあるグアンタナモ米軍基地内での政治囚への拷問など、米国の人権侵害はおびただしい。これをもってベネスエラ政府が、「米国はベネスエラの安全にとって脅威」だと宣言したら、誰もが首をかしげるだろう。

 そこで、なぜオバーマが強引すぎる「脅威」を打ち出したか、色々な分析が出ている。その一つは、チャベス前政権以来の「イランとの繋がり」を指摘する。

 一方モンテビデオでは23日、政権党・拡大戦線(FA)と労組によるベネスエラ連帯行進があり、ホセ・ムヒーカ前大統領、ラウール・センディッチ副大統領らが先頭に立った。