ベネスエラ政府の官報は3月3日、米国人に入国査証取得を義務づける政令を掲載、政令は発効した。米国のブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領、テネット元CIA長官の入国は禁じられた。
またクーバ系のイレアナ・ロスレティネン、マリオ・ディアスバラルト、ロベルト・メネンデス、マルコ・ルビオのクーバ系米連邦議会議員の入国も禁止された。4人は、クーバとベネスエラに厳しい態度をとる極右勢力として知られている。
米政府は昨年7月以降、2度に亘り計56人のベネスエラ現・元高官らの入国を禁止している。ベネスエラは今回、報復措置をとったことになる。
また、カラカスの米大使館は現在100人いる館員を15日以内に17人に減らすよう義務付けられた。これも駐在外交関数を同等にする政策に基づく。
ニコラース・マドゥーロ大統領は3日新措置について、「我々は決して反米主義者ではない。政治・外交ルートで良好な対米関係を維持したい」と述べた。
だが、「我々は帝国主義、植民地主義、奴隷制度、人種主義に反対する。新措置は、米国による内政干渉を排除するためだ」と強調した。
大統領はまた、6日に南米諸国連合(ウナスール)のエルネスト・サンペール事務局長(元コロンビア大統領)がベネスエラ情勢について話し合うため来訪する、と明らかにした。
サンペールとともにブラジル、コロンビア、エクアドールの3国外相がベネスエラ入りする。
政府が2月、空軍一部将校と反政府政治家らが組んだゴルペ(クーデター)の陰謀を摘発し、黒幕の一人とされるアントニオ・レデスマ(カラカス首都圏市長)を逮捕して以来、政情にある種の緊張状態がある。
ジュネーブでは3日、ベネスエラとクーバの外相が会談した。