2015年3月14日土曜日

南米諸国連合がベネズエラ問題で14日、外相会議開催へ

 南米諸国連合(ウナスール)は3月13日、米国がベネスエラに圧力をかけている問題について14日、キトの本部で外相会議を開くことを決めた。加盟12カ国のうち11カ国外相が出席を表明、チレは副外相が出席する。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は13日記者会見し、バラク・オバーマ米大統領が9日、ベネスエラが米国の安全保障と外交政策にとって特別に危険になったとして「国家非常事態」を宣言したことを取り上げて、オバーマはパナマでの米州首脳会議で反帝国主義の攻勢に遭いたくなかったら、ベネスエラに謝罪すべきだ、と述べた。

 亜国外務省も声明で、オバーマ決定は米国務省の情勢分析がいかにお粗末であるかを示した、と批判した。

 当のニコラース・マドゥーロ大統領は12日、ワシントンのロビーがオバーマに猿轡をはめ足枷をし拉致しているとし、オバーマは偽りの情報に基づいてベネスエラ政策を決めている、と指摘している。

 マドゥーロはまた、駐米臨時代理大使に対し、ワシントンで「ベネスエラの真実展」を開く準備に取り掛かるよう命じた、と明らかにした。ベネスエラは最近、この催しを、反ベネスエラ世論の強い右翼政権のスペインで意図的な偽りの情報に基づく誤解を解く目的で開いた。

 大統領は「祖国のために敢然と立ち向かっていく」として、ワシントンでの「真実展」開会式に出席する可能性を示唆した。

 また、オバーマは誤った決定を点検し破棄すべきだと述べるとともに、「真実展」はオバーマに光を与え、シカゴでの青年時代のような感覚をオバーマに取り戻させるだろう、と語った。

 だが12日、米南方軍司令官ジョン・ケリーが、ベネスエラが近く経済危機により内部から崩壊する、との異例の発言をするなど、高官による反ベネスエラ発言が止まない。

 世銀の「投資関連紛争調停国際センター」は12日、ベネスエラ政府に対し、2010年にチェベス政権が国有化した米ガラス容器製造会社OIに対し、賠償金4億5500万ドルを支払うよう命じた。応じなければ、世界中でベネスエラ資産を差し押さえるなどの措置をとる構えだ。

 この動きは明らかに米政府と連動していると受け止められている。外貨逼迫で対外債務返済がままならない時期に、新たな追い討ちをかける措置となった。

 一方、欧州議会は12日、「抑圧と自由侵害」でベネスエラ政府を非難し、「政治囚」釈放を求める決議案を、3分の2を超える賛成多数で採択した。

 スペインの新政治勢力「ポデモス」と、伝統政党・統一左翼などは反対票を投じた。ポデモスはベネスエラと友好関係を築いている。スペインでは年内に総選挙が予定され、ポデモスの躍進が予想されている。

 右翼の政権党・国民党PPと、野党スペイン労働社会党(PSOE=ペソエ)は、第3勢力ポデモスの進出に怯えている。

 ベネスエラでは13日、国家情報局(SEBIN)の拘置所内で、反政府派のロドルフォ・ゴンサレス(63)が自殺した。去年4月、違法な反政府行動を組織したとして逮捕され、取り調べられていた。

 ベネスエラ原油は13日、1バレル=47・91米ドルだった。