2015年3月10日火曜日

米国がベネズエラを「危険」として「国家非常事態」宣言

 バラク・オバーマ米大統領は3月9日、ベネスエラが「米国の安全保障と外交政策にとって非常に危険な存在になった」として、「国家非常事態」を宣言した。

 大統領は、ベネスエラでの「人権蹂躙」、「野党政治家迫害」を理由に挙げた。またベネスエラの情報機関SEBIN、国家警備隊GNB、国軍FANBの現職と元職の高官計7人の米入国を禁止し、在米資産を凍結した。

 米政府は去年2~3月と今年2月、ベネスエラの反政府勢力や極右を通じてマドゥーロ政権打倒工作をしたが、いずれも失敗。今回のような異常とも言うべき極めて大げさな措置に出た。

 米政府は、街頭暴力に関与し逮捕された者たちの釈放や、暴力教唆や政変策謀で捕えられた政治家の釈放を求めてきた。だが、それはベネスエラ政府にとっては、犯罪者の免罪でしかない。

 オバーマ政権は、社会主義クーバとの関係正常化に努める一方で、ラ米左翼イデオロギーの中心ベネスエラを潰そうとしている。これを潰すか弱体化させ、米議会野党・共和党の賛同を得て、対玖経済封鎖解除にもっていこうという戦略が見える。