2015年7月11日土曜日

ローマ法王がパラグアイ訪問

 ローマ法王フランシスコは7月10日、ボリビアで刑務所を訪れ、収容環境の改善を求めた後、パラグアイの首都アスンシオンに到着し、オラシオ・カルテス大統領らの出迎えを受けた。

 法王は最初の演説で、民主強化、人権重視、腐敗・麻薬取引一掃を呼び掛けた。「民主強化」には、パラグアイが経験してきたストロエスネル長期独裁や、事実上のクーデターだった数年前のフェルナンド・ルーゴ元大統領追放事件を踏まえての強い要望が込められている。

 法王は9日にはボリビアのサンタクルースで、7~9日開かれた第2回世界社会・人民運動会合の閉会式にエボ・モラレス大統領とともに出席し、「多数者を疎外してきた制度の変革を恐れずに口にせよ。利益しか考えず、社会的疎外や自然破壊を招いてきた現行制度はもはや通用しない。農民、労働者、共同体、人民、母なる大地は耐えられない」と、全球(グロ-バル)化した弱肉強食の新自由主義経済政策などを厳しく批判した。

 この会合は、「母なる大地」、住宅、就業、人民統合をめぐって開かれ、40カ国から3000人が参加した。

 法王随行者は10日、モラレス大統領から8日贈られた、槌と鎌形の十字架のキリスト磔刑像および、「アンデス山脈コンドル章」を法王はコパカバーナの聖母に捧げた、と明らかにした。法王は勲章や贈り物をもらわない習慣がある。同聖母を祀る教会は、ティティカカ湖畔のコパカバーナ丘の頂上にある。