2016年7月16日土曜日

コロンビア和平最終合意は8月実現、9月国民投票か

 コロンビア政府の「紛争終結後高等顧問」(閣僚級)ラファエル・パルドは7月15日、訪問先のワシントンで、最高裁が18日、内戦和平最終合意承認の是非を問う国民投票を合憲と判断すれば、同最終合意は8月半ばないし後半に調印され、9月25日にも国民投票が実施される、と明らかにした。

 政府とゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)は6月23日ハバナで停戦、ゲリラの安全保障、国民投票の3点で合意した。これにより、2012年11月ハバナで始まった和平交渉は、農地改革、麻薬、内戦被害者賠償、停戦と4項目で合意が成立、残るは「最終合意、和平実施・検証」だけとなった。

 6月の停戦合意調印式には、JMサントス大統領、ティモチェンコFARC最高司令、ラウール・カストロ玖国家評議会議長、ニコラース・マドゥーロVEN大統領、ミチェル・バチェレー智大統領、ボルゲ・ブレンデ・ノルウェー首相、パンギムン国連事務総長、ダニーロ・メディーナRD大統領(CELAC輪番制議長)、サルバドール・サンチェス=セレーンES大統領、エンリケ・ペニャ=ニエト墨大統領らが出席した。

 サントス大統領は、8月の最終合意調印式はボゴタで催すと表明した。これにはフランシスコ法王、バラク・オバーマ米大統領も出席する公算がある。

 一方、パルドはワシントンで米政財界に和平間近な状況を説明、財政支援を求めた。また米州諸国機構(OEA)本部を訪ね、和平実施過程での協力を要請した。

 OEAは2004年1月、コロンビア政府と「和平過程支援任務」(MAPP)協定を結び、コロンビアで地雷除去活動を支援してきた。パルドは、FARCが和平実施後、放棄する約100市での展開および、52市での地雷除去検証に携わるよう、OEAに要請した。数週間内に新たな協力協定が結ばれるもよう。

 停戦および、ゲリラ集結・武装解除・復員などの監視、検証は、国連安保理に委託されたラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)の監視団が担う。

 サントス大統領は15日ボゴタで、来訪したドイツ使節団に、和平への協力への謝意を表した。カナダは和平実施過程に4400万ドルの援助を決めている。

▼ラ米短信  亜国法廷は7月15日、検察を要請を受けて、クリスティーナ・フェルナンデス前大統領の娘フロレンシア・キルチネル(26)の所有する現金460万ドルを差し押さえた。現金は銀行の貸金庫に保管されていた。

 検察は前大統領を不正蓄財、資金洗浄で起訴している。娘の資金も不正蓄財の可能性があるとにらんでいる。娘は他に、銀行預金103万ドルがあり、これも差し押さえられた。

 フロレンシアは巨額の現金について、父(故ネストル・キルチネル元大統領)から相続した遺産だ、と申し立てている。