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2017年3月30日木曜日

  コスタ・リカで第16回中部アメリカ(メソアメリカ)機構首脳会議が開かれ、トランプ米政権と移民問題を中心に討議。「移民犯罪者視」を断固糾弾。

 中部アメリカ(メソアメリか)開発のための「トーストゥラ・グティエレス対話・協和機構」(MDCTG、10カ国加盟)の第16回首脳会議が3月29日「メソアメリカは統合する」を標語に、コスタ・リカ(CR)首都サンホセで開かれた。

 CR、メヒコ、グアテマラ、パナマ、コロンビアの5カ国大統領と、エル・サルバドール、オンドゥーラス、ニカラグア、ベリーズ、ドミニカ共和国(RD)の外相らが出席。議長のLGソリースCR大統領は、移民、女性の地位向上、気候変動、核軍縮、持続的開発を重要議題として列挙した。特にトランプ米政権登場後、米墨国境の壁建設、不法移民取締・国外退去が大問題になっており、移民問題に時間が多く割かれた。

 メヒコのEPN大統領は、対米対立時にメヒコに連帯した加盟諸国に感謝、「メヒコは米政権との新しい関係構築という試練に直面している。対話を通じて双方に意味ある合意に到達できると考える」と述べた。

 コロンビアのJMサントス大統領は、トランプ政権の化石燃料開発優先のための気候変動政策変更を批判。「最良の<壁>建設は、メソアメリカの開発だ」と強調した。対米移民の出身地域であるメソアメリカ(メヒコ南東部および中米)が発展すれば、移民が減るとの考えに立つ。

 会議は、37項目の「政治宣言」を採択した。「移民差別増大を懸念」、「人種主義、差別、外国人排斥、不寛容、移民犯罪者視に断固反対」、「移民出身国・通過国・目的国として移民発生の構造的原因を直視し、移民の人権に最大限配慮」などが盛り込まれたが、米政府やトランプの名前は書き込まれれなかった。次回首脳会議は19年オンドゥーラスで。

 MDCTGは、1991年にメヒコ・チアパス州都トゥーストラ・グティエレス(TG)で開催されたメヒコと中米5カ国の首脳会議に始まる。98年、MDCTGが生まれ、2001年、フォックス墨政権が「プエブラ・パナマ計画」(PPP)を策定、メソアメリカ全域の開発に制度的に着手した。

 これには、環境破壊や収奪を怖れる加盟諸国の先住民族や農民の反対が強い。94年元日にチアパス州で放棄した「サパティ
スタ民族解放軍」(EZLN)も反対してきた。

 開発事業としては、PPPが08年に移行した「メソアメリカ事業計画」(PM)、「官民同盟」(APP)などがある。PMの下で既に107事業が実施され、計31億ドルが投下された。
  

2016年12月22日木曜日

中米首脳会議が統合のため改革加速で合意

 中米統合機構(SICA、加盟8カ国)は12月20日マナグア市で首脳会議を開催。同機構の抜本的改革の必要性をめぐって議論が交わされた。議長を務めたニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、「世界経済の全球化は待ってくれない。我々中米が改革を急がねば」と強調した。

 半年交代の輪番制議長国はニカラグアからコスタ・リカに移行。ルイス・ソリース大統領の代理として出席したエリオ・ファジャス副大統領は、コスタ・リカも新議長国として中米統合強化に務めると述べた。

 オルテガは、中米と韓国の自由貿易協定(FTA)交渉が終わり、来年半ば調印する運びとなった、と伝えた。

 米国に多くの出稼ぎ労働者を送り込んでいる「中米北部三角形」と呼ばれるグアテマラ、エル・サルバドール(ES)、オンドゥーラス(ホンジュラス)は、メヒコと連携して、トランプ次期米政権の移民政策に対応する措置を講じつつあると明らかにした。

 グアテマラのジミー・モラレス大統領はオンドゥーラスとの関税98%の同盟化が済んだとし、両国国境を来年中に開放すると言明した。両国を結ぶ航空路も従来の割高な国際線から安い国内線扱いにする計画も検討されている。

 会議はオルテガが「マナグア宣言」を発表して閉会した。会議にはドミニカ共和国のダニーロ・メディーナ大統領、ESのサルバドール・サンチェス大統領も出席。パナマからはイサベル・サンマロ副大統領、オンドゥーラスは外務閣外相、ベリーズはニカラグア駐在大使がそれぞれ出席した。

▼ラ米短信  ◎エクアドール次期大統領に政権党候補有力か

 エクアドール(赤道国)では2017年2月17日、次期大統領選挙が実施される。当選には過半数得票、もしくは得票率40%で2位に10ポイント差を付けること。該当者がなければ、上位2候補が4月2日の決選に臨む。

 12月20日現在、約10人の出馬予定者のうち、ラファエル・コレア現大統領の政権党「パイース同盟」候補レニーンモレーノ元副大統領(63)が有利に選挙戦を進めている。2番手は、「機会創設運動」のギジェルモ・ラッソ元グアヤキル銀行頭取(61)。続いてキリスト教社会党(PSC)の女性候補シンシア・ビテリ(51)。

2015年12月29日火曜日

コスタ・リカのキューバ難民、メキシコ行きが決まる

 ニカラグアを除く中米6カ国およびメヒコは12月28日グアテマラ市で実務者会合を開き、コスタ・リカ(CR)国内にいる米国行き希望のクーバ人経済難民8000人を来週、エル・サルバドールの首都サンサルバドールに空路運び、同市からグアテマラ・メヒコ国境までバスで送り届けることで合意した。メヒコ政府は、同難民を米国国境まで安導することを受け入れた。

  CR外務省は、難民は米国までの移動費を自己負担する、と明らかにした。難民たちはクーバを去る際、全財産を処分しているため、米ドルをかなり所持してると見られているが、マイアミの新参クーバ難民支援団体は支援態勢を整えると表明している。

 会合ではグアテマラのカルロス・モラレス外相が議長を務め、コヨーテ(難民の密出入国を手助けして儲けている者たち)を取締まることも決めた。会合には国際移民機関(IOM)代表も出席、領内通過を認めないニカラグアは欠席した。

 クーバ難民問題は米政府が維持している「キューバ調整法」があるため起きている。クーバ政府にとって今回の大問題は、同法廃止促進の好宣伝材料となっている。その立場に同調するオルテガ・ニカラグア政権は、「治安上の理由」からとして難民通過を拒否した。

 CRはエクアドールなどからやってきたクーバ難民に11月14日領内通過査証を発給したが、翌15日、ニカラグアが難民に国境を閉ざしたため、難民はCR領内の収容所37カ所に寝泊まりしてきた。嵩む経費や安全管理でソリースCR政権は音を上げ、中米統合機構(SICA)に早急に解決策を見出すよう要請していた。

 バレーラ・パナマ政権も28日、国内にいるクーバ難民759人を宿泊施設に収容することを決めた。これまでは教会、修道院、路上などで寝泊まりしていた。

 一方、メヒコ移民庁(INM)は28日、今年1~10月、中米から密入国してきた未成年者2万9217人を保護したと明らかにした。その97%はグアテマラ、オンドゥーラス、エル・サルバドールからだった。

 メヒコ外務省は、難民の出身国・通過国・受入国が一堂に会する難民会議を近々開くよう提案している。このところクーバ難民の多くは、クーバからエクアドール、コロンビア、パナマに出て、CR経由で北上する者が多い。だが今回の出来事を契機に、この中米回廊通過は難しくなるかもしれない。

 また米国の国境管理当局は28日、今年既にクーバ難民2万7296人が入国したと公表した。去年は1万5341人で、今年は78%増し。米政府はCRにいるクーバ難民を、国境まで辿りつけば受け入れると表明している。(米議会下院議員2人は29日、難民問題を把握するためCRを訪れた。)
 
 

2015年3月27日金曜日

ラヴロフ露外相が中米との関係強化を表明

 ラ米歴訪中のセルゲイ・ラヴロフ露外相は3月26日、最後の訪問国グアテマラで中米諸国外相と会合し、中米との関係を強化したいと述べ、中米統合機構(SICA)のブザーバー国になる意思を表明した。

 共同声明で中米側は、ロシアを中米経済統合銀行(BCIE)の域外加盟国になるよう要請した。

 ラヴロフは、ニカラグアにある露支援による対テロ・麻薬取引機能育成所を中米全諸国を対象とする機関に変えたいと表明した。

 露外相は24日からクーバ、コロンビア、ニカラグアを歴訪した。各訪問先で米国のベネスエラ介入政策を非難した。

 グアテマラでは、米欧が呼び掛けたウクライナをめぐる対露制裁に中米が加わらなかったことに謝意を表した。

2015年3月3日火曜日

中米北部3国と米墨が「繁栄のための同盟」素案策定

 中米「北部三角形」と呼ばれるグアテマラ、エル・サルバドール、オンドゥーラス3国の大統領と、バイデン米副大統領、メヒコ外務次官は3月2日グアテマラ市で会合し、5カ国による「繁栄のための同盟」計画の素案を策定した。

 この計画は昨年11月、3国大統領がワシントンでバイデンと会合した折、提案された。米政府は、メヒコ経由で米国に流入している同3国からの不法移民を減らすため、3国の開発が不可欠との立場だ。

 また、3国での麻薬取引、組織的暴力、貧困への対応策とも見なされている。投入される資金は総額150億ドル。米州開銀(BID)が資金面で協力する。

 計画の骨子は、生産部門活性化、人材育成、治安強化・司法活用、制度強化。バイデンは、3国大統領に犯罪の無処罰を止める要請した。

2014年7月26日土曜日

米国と中米3カ国の首脳が未成年越境問題を協議

 中米の「北部三角形」と呼ばれるグアテマラ、オンドゥーラス、エル・サルバドール3国の大統領は7月25日、米大統領政庁(ホワイトハウス)で、バラク・オバーマ大統領、ジョー・バイデン副大統領と「未成年不法入国問題」をめぐり会合した。

 オバーマは、政治亡命など人道問題が絡む場合を除いて不法入国者に移住を許可することはない、と伝えた。一方、中米首脳側は、未成年者を米国に向かわせる理由となっている麻薬犯罪、マラスなど犯罪集団の取り締まりへの協力強化を求めた。

 4カ国首脳は会議後、共同声明を発表、「成人同伴者なしの未成年者、および未成年者を連れた成人」の米国への越境問題の解決のため引き続き協力していく、と強調した。

 犯罪集団追及、も表明した。また「中米社会での教育、就業機会の拡充の必要性」も盛り込まれた。さらに、4当事国だけでなく、中米の他の国々、およびメヒコとコロンビアの協力も必要、と謳っている。

2014年7月20日日曜日

米大統領が未成年者密入国問題で中米首脳と会談へ

 米政府は7月19日、バラク・オバーマ大統領とジョー・バイデン副大統領が25日、未成年者の米国への不法入国問題の解決策を練るため中米北部3国大統領とワシントンで話し合う、と発表した。

 グアテマラのオットー・ペレス=モリーナ、オンドゥーラスのフアン・エルナンデス、エル・サルバドールのサルバドール・サンチェスの3大統領。3人は6月20日グアテマラ市で、この問題をめぐりバイデンと会談している。

 これら3国から今年米国に密入国した未成年者は5万7000人。年末には10万人に達する見込み。
 

 

2014年7月10日木曜日

オバーマ米大統領が中米に未成年越境者を出さないよう訴え

 バラク・オバーマ米大統領は7月9日テキサス州を訪れ、中米諸国に向けて児童・未成年を米国に密入国させないよう訴えた。メヒコ経由の道中や越境時の危険性を強く訴え、密入国しても定住できないと警告した。

 現在、5万2000人の未成年の密入国者が国境沿いの米不法入国者収容所にいる。

 またジョー・バイデン副大統領は9日、グアテマラ、エル・サルバドール、オンドゥーラスの中米北部3国大統領とで電話会談し、密入国対策について話し合った。

 オバーマ政権は米議会に、米墨国境密入国対策などのため37億ドルの予算を要請している。 

2014年6月28日土曜日

中米統合機構が未成年者の米国入国問題を重視

 中米統合機構(SICA=シカ)の第43回首脳会議が6月27日、ラ・ドミニカーナ(RD=ドミニカ共和国)の保養地プンタ・カナで開かれ、加盟国グアテマラ、オンドゥーラス、エル・サルバドールなどの未成年者がメキシコ国境から米国に密入国し逮捕された場合の米当局による扱いなどを問題視する特別声明を採択した。

 バラク・オバーマ米大統領はワシントンで同日、未成年者をメキシコ国境地帯に送り出さないよう、そして密入国した場合、身柄を出身国に強制送還せざるを得ない米国の立場を訴えた。だが、中米首脳らは、これにも異議を唱えた。

 会議はまた、プンタ・カナ宣言を採択し、輪番制議長を今年前半務めたダニーロ・メディーナRD大統領がSICAを活性化させたと評価した。今年後半の輪番制議長は、ベリーズのディーン・バロウ首相が務める。

 SICAには、ベリーズを含む中米7カ国とカリブ海のRDの計8カ国が加盟している。今会議には、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領を除く7人の首脳が出席した。

 この機構は、中米の制度強化、社会・経済統合、民主制度保障、気候変動対策、自然災害防止の5項目を優先政策としている。
  

2013年6月28日金曜日

ドミニカ共和国が中米統合機構に正式加盟


 コスタ・リーカ首都サンホセで6月27日、中米統合機構(SICA=シカ)首脳会議が開かれ、準加盟国だったラ・ドミニカーナ(RD=ドミニカ共和国)が正式な加盟国として承認された。加盟国は8カ国となった。

 RDは、地元カリブ海に経済同盟関係を組める相手国がないため、中米に接近し、「米国・中米・RD自由貿易協定」(CAFTA-RD)を結んでいる。

 SICAの新しい事務局長には、エル・サルバドール外相ウーゴ・マルティネスが就任した。また半年交代の輪番制議長国は、コスタ・リーカからパナマに移った。