2017年4月28日金曜日

 アサド・シリア大統領が「ベネズエラの状況はシリア内戦初期に酷似」と指摘。キューバはマドゥーロ大統領のOEA脱退決定を断固支持。トランプは「何が起きるか見守ろう」と米亜首脳会談で語る。マクリは5月来日へ

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月27日、「ボリバリアーナ革命は新たな時期を迎えた」として、女性市民に力を貸してほしいと訴えた。大統領は、反政府系メディアについて、「右翼勢力(反政府勢力)による街頭暴力、破壊活動を全く伝えず、真実を覆い隠している」と厳しく批判した。

 カラカスに本社を置くラ米多国籍メディア「テレスール」は同日ダマスカスでシリアのバシャール・アル-アサド大統領とインタビューした。アサド大統領は、「現在のベネスエラの状況は、シリア内戦初期とそっくりだ。政府打倒を狙って<平和行動>を展開し、そこに殺傷暴力を絡ませ、その責任を政府に転嫁する手法が使われている」と指摘した。その上で、「ベネスエラ市民は真相を認識せねばならない。反政府と反祖国は全く別ものだ」と強調した。

 クーバ外務省は声明を発表、「ベネスエラとマドゥーロ大統領のOEA(米州諸国機構)脱退という勇気ある決定を断固支持する」と表明した。クーバは1962年1月、ケネディ米政権の主唱でOEAを追放されて以来、復帰していない。

 声明はまた、「OEAは、西半球を支配する帝国主義の道具という伝統的役割を演じ、<我らのアメリカ>(ラ米・カリブ)の主権・独立・尊厳を傷つけている」と指摘。「今はベネスエラ政権打倒を目指しており、さらなる糾弾に値する」と糾弾した。

 政府の物資供給組織CLAPのフレディ・ベルナル代表は、「右翼勢力は権力奪取のためには国全体を炎上させるのも辞さないようだ」と非難した。政権党PSUV(ベネスエラ統一社会党)は、政府のOEA脱退決定を支持した。

 デルシー・ロドリゲス外相は、OEAで反ベネスエラの根回し役として目立ったメヒコとアルヘンティーナを批判。「メヒコはトランプのTLCAN(NAFTA)脱退取りやめと引き換えに、米国から金をもらってベネスエラ包囲網づくりに努めたのか」と指弾した。

 一方、D・トランプ米大統領は27日、大統領政庁(ホワイトハウス)でマウリシオ・マクリ亜国大統領と会談。その冒頭で、「ベネスエラは混乱している、ひどい状態だ。ベネスエラ情勢はとても悲しい。何が起きるか、見守ろう」と述べた。

 マクリは会談の後、「ベネスエラに民主政権を復活させねばならない」と、新たな内政干渉発言をして憚らなかった。マクリはまた、2週間内に中日両国を訪問し、6月にはアンゲラ・メルケル独首相を亜国に迎える、と明らかにした。

 米共和党右翼で反カストロ派クーバ系のマルコ・ルビオ上院議員は、米タイム週刊誌上で、「マクリはベネスエラ問題で米国の強力な仲間になりうる。マクリ政権は他の諸国と共にマドゥーロ政権糾弾で米政府と協働した」と述べた。ルビオは、ラ米政策でトランプの<指南役>を務めている。

2017年4月27日木曜日

★★★ベネズエラが米州諸国機構(OEA・OAS)脱退を決定、事態は重大な局面へ。OEAは5月外相会議開催へ。CELACは5月2日エル・サルバドールで緊急外相会議を予定。トランプ米大統領は27日、反ベネズエラの急先鋒アルゼンチンのマクリ大統領と会談へ

 ベネスエラ政府が4月26日、ついに米州諸国機構(OEA、英語でOAS)脱退に踏み切った。OEA大使会合が同日、ベネスエラの意向に反して、ベネスエラ情勢を話し合う特別外相会議を5月半ば以降、開催することを決めたためである。ベネスエラ情勢は、重大な局面に入った。

 ニコラース・マドゥーロ大統領はOEA決定を受けて、「私は帝国による内政干渉と決別するため巨大な一歩を踏みこんだ」と述べ、脱退決定を発表。これを受けてデルシー・ロドリゲス外相は大統領政庁で、「27日に脱退手続きを開始する。脱退には2年はかかる」と表明した。また規約により、加盟国割り当金870万ドルを支払わなければならない。

 OEA(加盟34カ国)は、外相会議招集賛成19、反対10、棄権4、不参加1で、招集を決めた。反ベネスエラの急先鋒アルヘンティーナからはスサーナ・マルコーラ外相が大使に代わって発言、「他国の人民や政府に干渉するのは許されないが、制度の民主化を促すのは内政干渉ではない。(ベネスエラでの暴動事件の)死者が制度と指導者の失敗を象徴している」と述べ、外相会議招集への賛成を促した。

 これに対し、ベネスエラのサムエル・モンカーダ大使は、「OEA史上もっとも暗い日だ。主権国家に決定を押し付けている。破壊活動はこのOEAの場から始まっている」と反撃した。

 デルシー外相は、脱退手続き開始を告げた後、OEAの敵対行動を非難、「OEAは米政府主導で内政干渉同盟を結成した。歴史は、北米合州国の国益に貢献しようと跪く従僕たちを厳しく糾弾することになろう」と批判。「脱退決定は成り行き的なものではなく、ボリーバル主義の内政干渉不可原則に則り為された」と説明した。

 外相はまた、ベネスエラの要請により、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC、33カ国加盟)は5月2日、輪番制議長国エル・サルバドールの首都サンサルバドールで緊急外相会議を開く、と明らかにした。

 保守・右翼野党連合(MUD)は26日も首都カラカスなどで街頭行動を決行したが、27日も続行。28日にはMUD所属の政治家らが暴動教唆罪などで服役している刑務所まで行進し、囚人への面会を求めるという。政府のOEA脱退決定を受け、嵩にかかってて挑発する構えだ。MUDは、内外圧力の増幅で、これまでマドゥーロ政権を支持してきた軍部が離反すると計算している。

 一方、政府支持派のチャビスタ(チャベス主義者)青年団らは26日、政庁前で大集会を開き、大統領と会った。大統領は全国32国立大学の施設現代化や奨学金制度拡充のため330億ボリーバルを投下すると発表した。チャビスタも厳戒態勢と動員態勢を維持している。街頭での衝突が懸念されている。

 ドナルド・トランプ米大統領は27日、マウリシオ・マクリ亜国大統領を迎え、ベネスエラ情勢への対応を協議する。マルコーラ外相は、このためワシントン入りし、OEA会議に出席した。

 過去には1962年1月末、ケネディ米政権の主唱で、OEAはクーバを追放した。クーバは復帰要請を跳ね付けている。
    

2017年4月26日水曜日

  4月初めからのベネズエラでの反政府街頭行動の死者26人、負傷者437人。米州諸国機構(0EA)が緊急外相会議招集を協議。ベネズエラは自国の了承なく外相会議が開かれればOEA脱退辞さないと表明。併せてCELAC外相会議開催を要請▼キューバが国連で米国による「電波侵略」を告発

 ベネスエラのルイサ・オルテガ検事総長は4月25日、同月初めからの一連の反政府行動による死者が同日計26人に達したと発表した。負傷者は437人。殺傷、破壊行為、略奪などで1289人を逮捕、うち217人は出廷、65人は依然取り調べ中。他は釈放された。

 ワシントンの米州諸国機構(OEA)は25日、ベネスエラ情勢を話し合う緊急外相会議を招集するか否かを26日の大使会議で討議すると発表した。招集案は、亜URU伯PAR智秘COL巴CR・HON・GUA墨米加BAR・JAM・BAHの17カ国が提案した。

 これに対しデルシー・ロドリゲスVEN外相は、OEAがベネスエラの了承なしに外相会議を開いたら、直ちにOEAから脱退する手続きに入る、と言明した。ニコラース・マドウーロ大統領の命令という。

 外相はまた、国内右翼勢力がベネスエラの憲政民主秩序を脅かしている不安定化の策謀と、VEN独立・主権・自決への内政干渉について話し合い、糾弾するためとして、CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)の緊急外相会議開催を、議長国エル・サルバドールに要請した。

 米州35カ国中、OEAにはクーバ以外の34カ国が加盟。CELACには米加の北米両国以外の33カ国が加盟している。玖米加以外の32カ国は双方に加盟している。

 一方、ウグベル・ロアVEN大学教育・科学技術相は25日、私立大学が勝手に休暇を制定し授業を中断したのは違法だと告発した。私大生が授業を気にせず反政府行動に参加するのを容易にするための措置であり、政府は認めがたい。

 ロア相はまた、「反政府右翼勢力は大学生ら若者を雇って暴動を起こし、国際社会に<内戦状況>を示し、外国の介入を誘導すべく策謀している」と非難した。

 反政府行動を指揮している保守・右翼野党連合MUDは26日、首都カラカス中心部のオンブズマン事務所に向けて行進する予定。政府支持派の若者は同日、大統領政庁(ミラフローレス宮)前に集結する。

 マドゥーロ大統領は25日、「国際労働者の日」(メイデー)には、労働者の生き方を変える重大決定を発表する、と明らかにした。政府系労働者は全体の56%に当たる約738万人。全国でメイデー行進に動員される。

 ベネスエラはモンテビデーオにある南部共同市場(メルコスール)本部で25日、議長国アルヘンティーナを相手に裁定を要求した。ベネスエラは昨年12月、亜伯PAR3国の主唱で、加盟資格を停止させられた。

▼ラ米短信    ◎クーバが国連で米国による「電波侵略」を告発

 米国はクーバに向けてラジオ、テレビによる宣伝放送=電波侵略を続けている。クーバは4月25日、国連情報委員会で告発した。玖側集計で、昨年、米領内から毎週25周波・計1000時間の電波侵略があった。

 ベネズエラ反政府勢力指導者がマドゥーロ政権打倒まで街頭行動続行と表明。チャベス像も倒される。政権党幹部は、反政府勢力は「街頭謀略」などCIA教本通りに行動していると暴露▼チリのエル・メルクリオ紙社主が死去

 ベネスエラでは4月24日も反政府勢力による抗議行動および、その別働隊の破壊活動と、対抗する治安部隊および支援勢力の衝突で死傷者が出た。破壊や略奪事件も起きた。

 保守・右翼野党連合MUD所属のホルヘ・ボルヘス国会議長は、26日にチャベス派の牙城である首都リベルタドール区への行進予定を発表、★「帰らざる行進だ。選挙実施まで、民主国家樹立まで続く」と述べ、平和行進と破壊活動を含む一連の街頭行動をマドゥーロ政権打倒まで続けるつもりであることを明らかにした。

 これに対し、政権党PSUV副党首ディオスダード・カベージョ国会議員は24日記者会見し、5月1日の「国際労働者の日」に政府支持派が首都カラカスで一大動員をかけると発表。★「右翼勢力はCIAの合法政権打倒教本に沿って反政府活動をしている」と指摘。「独裁から民主へ」、「テロリズムと都市ゲリラ教本」、「新しい都市蜂起:街頭謀略」の3教本を挙げた。

 24日も非公式集計で7人が極右暴徒の狙撃などにより死亡した。死者は30人に届こうとしている。カラカス警察署長も脚を撃たれ、病院で手当てを受けた。

  カラボボ州ディエゴイバーラ市では故ウーゴ・チャベス前大統領の立像が放火され、倒された。

 スペイン保守・右翼政界の旗頭マリアーノ・ラホーイ首相は24日ブラジリアでミシェル・テメル伯大統領と会談、ベネスエラ情勢を取り上げて、選挙を早く実施すべきだと述べた。これに対しデルシー・ロドリゲスVEN外相は25日、内政干渉として撥ねつけ、「スペイン政権党(PP)内部の汚職から目をそらせるために我が国を利用している」と非難した。

 同外相は、3月末に脱出しコロンビアに逃げ込んだ国軍尉官3人の身柄引き渡しを求めていたところ、コロンビア政府から「政治亡命を認める」との回答があったと明らかにした。3人は先ごろ、ベネスエラ国軍に反政府蜂起を呼び掛けるビデオメッセージを電脳機器で流した。

 政権党PSUV幹部は24日、ルイサ・オルテガ検事総長が、MUDによる反政府行動のさなかに破壊活動や殺傷事件が続発しているのを非難していないと指摘、同検事総長を非難した。政府・政権党の高官間のこの種の批判は珍しい。

 一方、国際通貨基金(IMF)は24日マナグアでニカラグア経済状況を調査、ベネスエラによるニカラグアへの資金援助が過去2年間、大幅に減少していると明らかにした。

▼ラ米短信   ◎チレ軍政を支持した新聞社主が死去

 チリでエル・メルクリオ、ラ・セグンダ、ラス・ウルティマス・ノティシアスの保守・右翼系3紙を発行していた新聞社主アグスティン・エドゥワーズ(89)が4月24日、老衰で死去した。

 70年代初め、アジェンデ社会主義政権に反対、アウグスト・ピノチェー将軍らによる軍事クー^デターを煽った。米国に留学、親米で、米大使館やCIAと通じていた。 

2017年4月24日月曜日

 マドゥーロ・ベネズエラ大統領が反政府野党連合に対話を呼び掛け、選挙実施の意思示す▼アルゼンチンでは軍政期に行方不明となった「赤子」を発見、122人目

 ベネスエラは4月23日、比較的平穏な日曜日を迎えた。ニコラース・マドゥーロ大統領はテレビの日曜定例番組で、「我々は対話の用意がある。右翼の暴力と、極右のゴルペ主義(クーデターの策謀)を止めさせるため」と述べ、保守・右翼野党連合MUDに対話を呼び掛けた。MUDは24日、首都カラカスをはじめ全国の主要道路で「立ち番(監視活動)」を展開する予定。

 大統領はまた、「我々は内戦に向かってはいない。人民革命という歴史的で新しい解放過程を進んでいる。革命の下での平和を目指している。ベネスエラに平和なくして、ラ米に平和はない」と強調した。

 マドゥーロは、「労農・先住民で構成する人民制憲議会を通じて共和国を再建するため、選挙による平和裡の人民制憲過程を推進する。私は政府首班、国家元首として、選挙を実施したい」と語り、州知事・州会議員選挙を実施する意志を示した。

 さらに、「破壊活動に駆り立てている野党議員らを、エル・バージェ地区での略奪や母子病院襲撃の責任者として司法に委ねたい」と述べた。また「ミランダ州と首都カラカスで暴徒に破壊され略奪された50軒の店舗・商店に計180万ドルの救済資金を渡した」と明らかにした。暴徒の多くは、破壊活動を働くMUDの別働隊。

 大統領は、ローマ法王による対話の仲介を希望。JLRサパテーロ前スペイン首相ら南米諸国連合(ウナスール)の仲介使節団3人の来訪を要請した。

 政府の貧困大衆向け住宅政策に触れて、既に160万戸を建設したが、年末には200万戸に到達したい、と述べた。

 政府支持派は23日、エル・バージェ地区など、暴徒による破壊活動がひどかった地区で掃除、バリケード撤去、瓦礫除去、植樹などの活動を繰り広げた。

 ネストル・レベロール内相は、19日に反政府側がビルの上層部から意図的に落とした瓶で頭部を割られた47歳の女性が23日死亡した、と発表した。非公式集計では、4月初めからのMUDによる反政府街頭行動関係の死者は21~22人に達した。

 コロンビア極右勢力の旗頭、アルバロ・ウリーベ前大統領は、「マドゥーロを排除すべき時だ」と表明した。リカルド・ルーナ秘外相は、法王庁とラ米有志諸国がベネスエラ対話の仲介者となるべきだ、と提案した。

 一方、国際通貨基金(IMF)はベネスエラの経済指標に触れ、今年のインフレを2068%と予測。経済は昨年18%縮小したが、今年7・4%、来年4・1%、それぞれ縮小すると展望した。失業率は昨年21%だった。

▼ラ米短信    ◎亜国で軍政に奪われた「赤子」を発見

 アルヘンティーナ軍政期に息子・娘を殺害され孫を奪われた祖母たちの「五月広場の祖母たちの会」は4月23日、「孫を見つけた。これで122人め」と発表した。目下、法的手続き中。まだ400人前後の「元赤子」が見つかっていない。

 1977年にブエノスアイレス市内で軍政に拉致され殺害された男女の娘で、現在39歳。殺された両親は、ペロン派極左地下結社「モントネロス」の要員だった。母親は赤子を産むとすぐに引き離され、抹殺された。

2017年4月23日日曜日

 ベネズエラ政府が外国メディアに「虚偽報道」止めるよう要請。野党連合MUDは久々に別働隊加えず平和行進▼パナマ運河を米原潜が通航▼ニカラグアで運河建設反対派が規制さる▼キューバが37年ぶりにモロッコと復交

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月22日、「ベネスエラは平和のために行動している。ヴァティカンと国際社会と対話しつつ、テロリズムに訴えている犯罪組織を取締まっている」と述べた。

 また、「帝国主義に支援された国内右翼勢力による不安定化の企みを引き続き打ち破ってゆく。ファシズムと不寛容は革命と祖国愛のベネスエラでは立ち行かない」と強調した。

 エルネスト・ビジェーガス伝達・情報相とデルシー・ロドリゲス外相は、カラカスで外国メディア通信員を集めて記者会見し、メディアによる意図的誤報、虚偽報道などを厳しく批判、「伝達の専門職として責任を持ち、倫理的で公平な報道を心がけてほしい」と訴えた。

 ビジェーガスは、虚偽報道の一例として、カラカス市リベルタドール区エル・バージェの母子病院が野党勢力に雇われた暴徒に襲撃された際、あたかも治安当局に責任があるかのように報じたメディアがあった事実を指摘した。

 同区のホルヘ・ロドリゲス区長(外相の実兄)は、暴動・略奪の被害が大きかったエル・バージェ地区で貧しい住民9800家庭に食糧品を配布した。政府支持派は、23日、一帯で破壊の跡を清掃したり、街路樹の苗木を植えたりしている。

 ネストル・レベロール内相は、タチラ州サンクリストーバル市で若い女性が19日射殺された事件の容疑者の男を逮捕、取り調べ中と明らかにした。内相は、容疑者は保守・右翼野党連合(MUD)右翼のマリーア・マチャード元国会議員の政治組織「ベンテ・ベネスエラ」に所属していると明かした。

 コロンビア政府との和平実施過程にあるゲリラ組織FARC(コロンビア革命軍)の最高司令ティモチェンコ(ロドリーゴ・ロンドーニョ)は22日、「ベネスエラが誹謗中傷されているいま、黙ってはいられない」として、「ボリバリアーナ革命政権を支持する」と表明した。

 同司令は、「コロンビアのメディアは、ベネスエラにあるチャベスへの情熱や、マドゥーロ大統領支持派の存在などに触れず、一方的にベネスエラを暴力や殺人だけの社会のように報じているが、ベネスエラは新自由主義政策に代わりうる政経両面の政策を実施している、民主と寛容のある美しい国だ」と強調した。

 さらに、「米国は世界各地で原油を奪うため、ありえないようなことも含め何でもやる」と、米国を非難した。

 一方、MUDは22日、予定通り、カラカス市内をカトリック司教会議本部まで「沈黙の行進」を実行した。平和裏に行進したが、このことは、MUDが破壊活動やテロリスムを働く別働隊を介入させなければ、平和裡の抗議活動が可能なことを示した。

 ブラジルのミシェル・テメル大統領は、メディアに、ベネスエラは選挙を早期実施すべきだと語った。昨年、不当な弾劾でヂウマ・ルセーフ大統領の合憲政府を倒し、政権に就いたテメルであり、発言に重みはない。顰蹙さえ買っている。

 モロッコ政府もベネスエラを非難したが、ベネスエラ外務省は21日、「国連の植民地解体委員会で議題になっている西サハラ不法占領国(モロッコ)の振舞いはいただけない」と一蹴した。

 デルシー外相は21日、1年交代・輪番制の南米諸国連合(ウナスール)議長の座を、アルヘンティーナに渡した。

▼ラ米短信   ◎米原潜がパナマ運河通過し太平洋に展開

 米海軍の原潜1隻が17日パナマ運河をカリブ海から太平洋に向けて通航したことが確認されていたが、パナマ運河庁(ACP)は22日、通航したのはUSダラス(SSN-700)だと明らかにした。朝鮮半島に近い海域に向かうと見られている。

▼ラ米短信   ◎ニカラグア運河建設反対行動が規制さる

 建設中の「ニカラグア大運河」に反対する農民や住民らは4月22日、「地球の日」に合わせて、中部のフイハルパ市で反対行進を展開することにしていたが、警察に阻止され、参加者は市内に入れなかった。

 カリブ沿岸地方の先住民らの「土地・湖水・主権防衛会議」の面々や、首都マナグアからの「サンディニスタ刷新運動」(MRS)、「民主拡大戦線」(FAD)など野党の党員が阻止された。

 政府側は同市でこの日、運河建設に賛成する政府支持派を集め、「緑の行進」を実施した。

▼ラ米短信   ◎クーバがモロッコと国交再開

 クーバとモロッコは4月21日、国連本部で国交再開文書を交わした。クーバは、西サハラで1976年に独立を宣言した「サハラウイ・アラブ民主共和国」(RASD)を80年承認、西サハラを不法占領中のモロッコは断交した。

 モロッコのムハマド6世は今月初め、秘かにクーバの保養地を訪れていた。モロッコは今年1月末、西サハラ問題をめぐり脱退していたアフリカ連合(AU)に復帰した。今回の復交で、モロッコに対するクーバとベネスエラの立場の違いが鮮明になった。

 一方、ブルーノ・ロドリゲス外相は17~22日、スペイン、ポルトガル、ギリシャ3国を歴訪した。近い将来、スペインの国王と首相が訪玖する予定。 

2017年4月21日金曜日

 ベネズエラで暴力・略奪続き、暴徒ら12人死亡、6人重傷。暴徒は母子病院も襲い、当局が赤子54人を救出。反政府勢力は街頭行動続行へ。国連総長は対話を呼び掛け▼米退役軍人らがトランプ大統領にキューバとの関係拡大を要請

 ベネズエラでは4月20日も反政府勢力による行進、集会があり、首都カラカスでは同勢力の別働隊が首都西部のエル・バージェ地区などで夜から21日未明にかけて暴動、略奪に出た。一連の事件で計12人が死亡、6人が重傷。

 ボリバリアーナ国家警備隊(GNB)が出動し、催涙ガスなどで鎮圧したが、暴動時に若者1人が銃弾を受けて死亡。それを発射したのがいかなる勢力か判明していない。首都の地下鉄駅では車両の硬質ガラスが数多く破壊された。

 エル・バージェ地区ではパン屋が暴徒に略奪されたが、その際、暴徒9人が感電死した。さらに略奪を防ごうとした商店主1人が暴徒に射殺された。他の1人も死亡したが、状況は不明。

 デルシー・ロドリゲス外相は20日、カラカス市内にある母子病院を暴徒が襲撃、生後間もない赤子54人を当局が救出した、と明らかにした。

 ニコラース・マドゥーロ大統領はこの日、無料保健事業「バリオ・アデントロ」の行事で演説、過去14年間にベネスエラ人176万人が命を救われた、と述べた。同事業の一環として、全国各地で病院建設などが進んでいることにも触れた。

 大統領は19日の反政府勢力との攻防戦について、「国際社会に祖国防衛の巨大な教訓を与えた。勇敢な人民に感謝する。革命的人民は国中の道路を受け尽くし、祖国を守った」と、大量動員に応じた政府支持派を讃えた。

 マドゥーロは、反政府勢力の指導部である保守・右翼野党連語MUDについて、「野党の一部が対話に応じると回答してきている」と語った。だが党名には触れなかった。
 
 大統領はまた、電話会社モビスター社を捜査するよう、当局に命じた。同社は19日、MUDのため2時間ごとに動員を呼び掛けるメンサヘ(メッセージ)を発信していた、という。

 隣国コロンビアのJMサントス大統領は20日、「ボリバリアーナ革命は失敗した。そのことを6年前にチャベス(故ウーゴ・チャベス前大統領)に伝えた」と明言した。

 マドゥーロ大統領は反発、「コロンビアは失敗国家だ。70年も内戦が続いてきた。内戦を逃れたコロンビア人がベネスエラ国内に560万人もいる。去年は10万人、ことし1~3月には3万5000人が入国した」と言い返した。

 続けて、「コロンビアは(FARCとの)和平に漕ぎつけたが、チャベスと私のお陰だ。交渉中の各当事者の発言は録音してある。公表しようか。コロンビア人が和平を蔑んでいるのだ。今も蔑み、農民、労働者、学生らの指導者が殺されている。いまはFARC幹部の殺害準備を進めているはずだ」と、厳しく非難した。

 「コロンビアでは医療と薬品はブルジョアのもので、貧者は享受できない。ベネスエラでは庶民大衆は無料で享受している」とも付け加えた。

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は20日、「帝国(米国)は反帝国主義諸国への見せしめとしてマドゥーロ政権を倒そうとしている。石油確保も狙っている」と、米政府を糾弾した。

 中国政府も21日、声明で「ベネスエラ政府が内政問題をきちんと解決し、安定化をもたらすと確信する」と表明した。

 国連のアントニオ・グテレス事務総長は20日、「政治的分極化を和らげるよう、双方が具体的に提案し、話し合うべきだ」とベネスエラ両派に呼び掛けた。これに亜伯URUPAR智秘COL・CR墨9カ国政府が賛同した。

 一方、MUDは20日、「抵抗運動犠牲者の鎮魂のため」として、首都にあるカトリック司教会議本部まで22日に「沈黙の抗議行進」を実施、24日には全国幹線道路で「立ち番(見張り)」を展開する、と発表した。

 法廷は20日、今月11日に若者1人が散弾を受けて死亡した事件で、GNB要員4人の見型を拘禁した、と発表した。またポルトゲーサ州知事は、州内で起きた19日の反政府派による破壊活動で2億6000万ボルーバルの損害が出た、と明らかにした。

▼ラ米短信  ◎米退役軍人たちがトランプ大統領に対玖関係拡大を要請
 玖共産党機関紙グランマは4月20日、米軍退役将官たちが書簡でDトランプ大統領に、クーバの地政学的・戦略的重要性に鑑み、関係を維持・拡大するよう要請した、と報じた。

 米共和党内にはクーバ系議員ら、在米・反クーバ市民らの意向に沿って対玖断交や関係凍結を主張し、これをトランプに吹き込む者がいる。退役軍人らは、米国益は対玖関係拡大にあるとの立場だ。