2017年2月20日月曜日

マドゥーロ・ベネズエラ大統領がトランプに「目を開け」と忠告

 ベネスエラのニコラース・マドゥ-ロ大統領は2月19日、定例のテレビ番組を通じ、ドナルド・トランプ米大統領に対し、「目を開き、ブッシュ、オバーマ両政権が失敗したベネスエラ政権転覆政策に取り込まれないように」と忠告した。

 また、「あなた(トランプ)を反ベネスエラ政策に巻き込むため、巨額のロビー工作費が使われてい」と指摘。ベネスエラの保守・右翼野党連合MUD幹部、MUDが圧倒的多数派の国会の議長、これと結びつく在米右翼ロビーストらが動いていると述べた。

 マドゥーロ大統領はその上で、トランプに「関係正常化のため協働しよう」と呼びかけた。両国はチャベス前政権期から相互に大使を置いておらず、臨時代理大使級外交が続いている。

 ベネスエラ大統領の今回の発言は、米政府がタレク・エルアイサミVEN執権副大統領を「麻薬取引首領」名簿に加え、同氏の在米資産凍結などの措置を講じたことや、刑事囚として過去3年間服役中のベネスエラの極右政治家らの釈放を求めるという内政干渉に出たのに対する回答としてだ。

 マドゥーロは、この定例テレビ番組でエルアイサミ副大統領を横に座らせ、「彼が内相だった時、麻薬業者102人を逮捕し、うち21人の身柄を米国に引き渡した」と述べ、功績を讃えた。

 大統領はさらに、エルアイサミに対し、「自身と家族の名誉を守るため、誹謗者をベネスエラと、米国を含む外国の法廷で早急に訴えるべきだ」と伝え、提訴を許可した。

 一方、著名なジャーナリスト、ホセ=ビセンテ・ランヘール(元副大統領)も自身の19日の定例テレビ報道番組で、エルアイサミ攻撃に触れ、一連のベネスエラ体制を貶めるための策謀の一環、と批判した。

▼ラ米短信   ◎エクアドール大統領選挙の結果判明遅れる

 2月19日実施されたエクアドール(赤道国)大統領選挙は、JST20日夜現在、政権党「パイース同盟」候補レニーン・モレーノが39%、2位の銀行家ギジェルモ・ラッソが29%。過半数得票者がいない場合、1位得票者が40%を超え、2位に10ポイント差をつければ当選する。モレーノがこの条件を満たしているかどうかが判明していない。

 この条件を満たさない場合、モレーノとラッソは4月2日の決選投票に臨むこことになる。モレーノはコレア現政権で副大統領を務めたことがあり、穏健な改革路線。ラッソはこのこの国の伝統的な富裕層で、政治的には右翼で、新自由主義経済路線復活を目指している。
 
  

2017年2月19日日曜日

 ガイアナ開催のカリコム首脳会議が「単一市場・経済」設立で合意。ハバナで3月、キューバと関税自由化決定へ

 カリブ共同体(カリコム)は2月16~17両日、ガイアナの首都ジョージタウンで第28回首脳会議を開催。デイヴィド・グランジャー同国大統領を議長に諸問題を討議し、「カリコム単一市場・経済」(CSME)の早期設立で合意した。

 今会議には、2月7日就任したばかりのアイチ(ハイチ)のジョヴネル・モイーズ大統領が初出席、外交デビューした。首脳は他に6カ国首相が出席、あとは外相らが出席した。

 グランジャー議長は、「加盟15カ国・地域の総面積は240万km2だが、相互に隔たっていて交通が不便であり、天変地異が頻繁に起き、インフラ整備もままならない。米英をはじめとする対外関係も堅固ではない」と状況を総括。観光立国だけでは経済が立ち行かないことや、カリブ地域の団結強化の必要性を強調した。

 ハバナで3月、カリコム・クーバ関税協定をめぐる外相会議が開かれ、クーバがカリコム産品349品目、カリコムが玖86品目の関税をそれぞれ自由化することも明らかにされた。

 グレナダのケイス・ミチェル首相が7月から次期議長になることも決まった。

▼ラ米短信  ◎米政府がベネスエラに内政干渉強化

 米国務省は2月18日、ベネスエラ政府に対し、野党極右指導者レオポルド・ロペス受刑囚の釈放を求めた。共和党右翼でフロリダ州選出の玖系上院議員マルコ・ルビオの進言などを受け、ドナルド・トランプ大統領はベネスエラ締め付け政策を決めている。

 ロペスは2014年2月にカラカスなどで始まったグアリンバ(街頭暴力)を教唆した罪などで、禁錮14年の実刑に服役中。米政府、ロペス支援者、多くのメディアはロペスを「良心の囚人」、「政治囚」などと呼んでいる。だが、刑事犯罪関与については全く触れていない。このため「虚偽ニュース」の様相を呈している。

 カラカスでは18日、街頭暴力で殺された43人の遺族や800人の負傷者の家族らと支援者多数が行進。代表者は、3年前の暴力事件に関与したロペスの実刑14年は軽すぎると抗議した。ニコラース・マドゥーロ大統領は犠牲者遺族らの立場を支持、間接的ながら米国務省への意思表示をした。この日、ロペス支援者も別途、釈放要求行動を展開した。

 一方、タレク・エルアイサミ副大統領を「ヒズボラの代理人」と伝える電脳メディアがある。これも確固たる証拠を明確に提示していない。

 「ポスト真実」期と呼ばれる現代、反真実、フェイクニュースが飛び交っている。基盤には反知性がある。マスメディアの保守化、政府付随化などが「反真実」状況を促進している。

▼ラ米短信  ◎エクアドール大統領選挙始まる

 エクアドール(赤道国)で2月19日、正副大統領、国会議員137人、アンデス議会議員5人を選ぶ総選挙が始まった。結果はJST(日本時間)20日昼前に判明する見通し。 

 

米メキシコ国境で「トランプの壁」に「人間の壁」で対抗

 墨米国境3200kmの中間に位置する墨チウアウア州国境のフアレス市と対岸の米テキサス州エルパソ市の間を流れる国境河川ブラボ川の墨側堰堤で2月17日、「人間の壁-両国の懸け橋」と題した平和行事が展開された。

 墨全政党が呼び掛けたもので、民主革命党(PRD)元党首クアウテモキウ・カルデナス元メヒコ市長、チウアウア州のハビエル・コラル知事、フアレスのアルマード・カバル市長、エルパソのオスカル・リーサー市長をはじめ2000人が参加した。

 国境の壁建設を決めたドナルド・トランプ米大統領への異議を唱える抗議行動で、メヒコ国歌を歌い、対岸の米側に向かって友情と連帯のメンサヘ(メッセージ)を送った。

 これに先立ち市内では、「国益防衛フォーラム」が開かれた。カルデナスは「両国の友情はメヒコ人の生活向上につながる。双方は長い歴史を経つつ共存してきた」と述べた。コラル知事は、「異なる声を一つにして友情を訴えよう。異なる手を一つにして、二国社会という在り方を続けたい我々の望みを確認し合おう」と語った。リーサー市長も「両都市は一つの同じ都市だ」と強調した。

 メヒコでは来年7月、大統領選挙が実施されるが、PRDから分派したMORENA(国民刷新運動)党首、アンデレス=マヌエル・ロペス=オブラドール(AMLO=アムロ)が現時点での支持率28%で有力。AMLOは2006年の選挙で事実上勝ちながら、開票操作で勝利を奪われた苦い経験の持ち主。

 12年の前回は、金権候補エンリケ・ペニャ=ニエト(EPN)現大統領に敗れた。AMLOに次ぐのは、EPNの政権党PRI(制度的革命党)のオソリオ内相で17%。3番手は、06年に当選したとされたPAN(国民行動党)のフェリーペ・カルデロン大統領の妻マルガリータ・サバーラで5%。AMLOにとっては、宿敵の妻だ。

 AMLOは、穏健左翼で改革派だが、メヒコをいじめているトランプに対抗できる「民族主義的アンチテーゼ」として、人気が急浮上している。これに伴い、AMLOは財界と会合するなど、革新色を薄めようと努めている。

 一方、ユカタン州都メリダで18日開かれた第16回墨玖友好国会議員同盟会合は、トランプの排外主義を「メヒコ人の尊厳を侵す」と捉え、移民排除や壁建設政策と併せて糾弾。話し合いによる問題解決を呼び掛けた。

 双方はまた、ラ米団結強化でも一致した。

▼ラ米短信   ◎オデブレヒト事件捜査で11カ国が協力

 ブラジル最大手の建設会社オデブレヒトの絡む巨額贈収賄事件に関連する11カ国の検察は2月16日、ブラジリアで検事総長級会合を開き、捜査協力協定を結んだ。伯亜智秘コロンビア赤ベネスエラ墨巴RD葡の各国。
 

2017年2月17日金曜日

 ベネズエラ大統領が「悪宣伝に対抗する」ため「強力なディジタル伝達基盤」構築を命ず

 国連難民高等弁務官事務所は2月16日ベネスエラ政府に対し、コロンビア人難民を収容するなどの人道的支援を評価、謝意を伝えた。先週から難民約400人がベネスエラ西部のスリア州などコロンビア国境地帯の地域に流入している。

 コロンビアでは政府とゲリラ組織FARCとの和平過程が進み、FARCは全国26カ所の集結地域に移動した。これにより、力関係に空白の生じたノルテ・デ・サンタンデル州カタトゥンボ地方に、殺戮やコカイン取引をする極右準軍部隊が流入。恐怖にかられた住民はベネスエラに越境した。コロンビア国防相は13日から同地方に兵士と武装警官隊を増派、準軍部隊を追跡している。

 エクアドールのキト郊外ではコロンビア政府と、FARCに次ぐもう一つのゲリラ組織ELNが和平交渉をしている。双方は16日、コロンビア社会代表の和平交渉参加、および内戦の「人道的な停戦」に関し、それぞれ小委員会を設け話し合うことで合意した。和平交渉で得られた初の合意である。

 一方、NYの国連本部にある非同盟諸国運動(MNOAL)事務局は16日、トランプ米政権によるタレク・エルアイサミVEN副大統領への追及措置を「一方的かつ弾圧的」と非難し、ベネスエラ政府への連帯を表明した。現在のMNOAL議長は、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領。

 マドゥーロ大統領は16日、「裏切り者は皆、米政府の庇護下に逃げ去る」と指摘。国際メディアによる意図的誤報(虚偽報道)に対抗し、「ベネスエラの真の姿を伝え発信するため」として、「強力なディジタル伝達基盤」を創るよう指示した。

 大統領はまた、トランプに同調し、暴動教唆罪などで服役中のベネスエラ極右政治家の釈放を呼び掛けたスペイン保守・右翼政権のマリアーノ・ラホーイ首相を、「ならず者だ。犯罪者と殺人者の保護者」と扱き下ろした。これに対しスペイン外務省は17日、駐西VEN・大使を呼び、真意を質した。

▼ラ米短信   ◎ハバナにガルシア=マルケス像登場

 ハバナ旧市街の芸術・文学学校の庭に2月16日、コロンビアのノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケス(GGM、1927~2014)の銅像除幕式が催された。ハバナ史家エウセビオ・レアル、駐玖コロンビア大使らが出席した。

 コロンビアの彫刻家ホセ・ビージャ=ソベロンの作で、高さは生前のGGMより背の高い180cm。昨年、若き日のGGMが活動したコロンビアのバランキージャ市に建てられた銅像の複製だ。

 作家の出世作『百年の孤独(孤独の百年)』の執筆50周年とノーベル文学賞受賞35周年および、作家の生誕90周年に因んで設置された。クーバはGGMがクーバ通信社プレンサ・ラティーナの創設期に記者として働き、故フィデル・カストロ議長と親交を結び、さらに映画学校を設立し指導した縁の深い国だ。GGMは「クーバの養子」と呼ばれることもある。

 彫刻家ビージャ=ソベロンは、ジョン・レノン、アントニオ・ガデス(西人フランメンコ舞踊家)、マザー・テレサらの彫像の政策者として知られている。  

 

2017年2月16日木曜日

「メキシコの次はベネズエラか」。トランプの内政干渉発言にベネズエラ外相が激しく反応、緊張走る

 ベネスエラの国家電気通信委員会(CONATEL=コナテル)は2月15日、米CNNテレビ西語放送のベネスエラでの有線放送を禁止した。「ベネスエラの民主と主権を直接的に侵した」のが理由だ。

 同放送は6日、ベネスエラの在イラク大使館がベネスエラ旅券をテロリズムに関係する可能性のあるアラブ人に売却しており、タレク・エルアイサミ副大統領が関与している、と伝えた。これが原因だ。報道は、ミサエル・ロペスという人物の証言を基にしている。

 クーバ系右翼のマルコ・ルビオ共和党上院議員(フロリダ州選出)は真っ先にCNN報道を取り上げ、これを受けて米政府は13日、エルアイサミVEN副大統領を「首領級麻薬取引者」名簿に加え、在米資産凍結処分とした。

 ベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は15日、「CNNは偽りに基づくメディア運動を展開し、VEN野党および国際右翼勢力のクーデター意図に貢献している」と、CNNを激しく糾弾した。

 外相は、「CNNが証言者としたロペスなる人物は野党勢力の回し者であり、イラク駐在VEN大使の名をかたり現金詐取を謀り、同大使館女性職員に性的脅しをかけ、これらの犯罪行為で裁かれようとしている」と指摘した。

 デルシーROD外相はさらに、「公然と反駁したのは、このような米国からの工作は、人民にとって不吉な戦争宣伝行為だからだ」と説明した。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は、副大統領に対する米政府の措置を「前代未聞で侮辱的だ」と批判。デルシー外相が米大使館の臨時代理大使に文書で抗議した。

 マドゥーロ大統領は15日、エルアイサミを、犯罪撲滅と治安確保を目指す「社会正義大任務」計画の首席調整官に任命した。政府の「安全な祖国」政策の一環で、やはり犯罪対策のための「ベネスエラ生命尊重任務」と並行して進められる。

 一方、ワシントンではルビオ議員が15日、ベネスエラ野党連合MUDの一翼を担う極右政党の党首で破壊活動教唆罪などで服役中のレオポルド・ロペスの妻をドナルド・トランプ大統領とペンス副大統領に引き会わせた。これを受けてトランプは、べネスエラ政府にロペス釈放を要求した。

 これに対し、デルシー外相は、同日「内政干渉だ」として一蹴。トランプを「ベネスエラ野党と、マイアミマフィアおよびロビーストに唆(そそのか)されて共犯者になった」と扱き下ろした。ルビオは15日、トランプとホワイトハウスで夕食を共にした。

 マドゥーロ大統領はこれまで、あからさまなトランプ批判は避けつつ「良好な関係を築きたい」と呼び掛け、「ベネスエラに対するブッシュやオバマの過ちを繰り返さないよう」柔らかに警告していた。

 だが反カストロ派でもある右翼ルビオの介在で、メヒコに向けられていたトランプのラ米諸国への牙がベネスエラに向かう可能性が出てきたと受け止められる今、マドゥーロ政権は事態を熟考している。

 トランプはメヒコについては独自の意見を持っているようだが、ベネスエラやクーバについては定見がなく、ルビオのような右翼世論代表の言いなりになる恐れが出ており、当時国やラ米知識層は懸念している。

▼ラ米短信   ◎エクアドール国会議長が「爆殺テロ」免れる

 赤道国のガブリエーラ・リバデネイラ国会議長は2月15日、事務所に届いた封書に爆発物が入っていたと明らかにし、殺害される可能性のあったテロを免れた、と述べた。爆発物は爆発しなかったという。

 この国では19日、正副大統領、国会議員137人、アンデス議会議員5人を選ぶ総選挙が実施され、国中が騒然とした空気に包まれている。政権党「パイース同盟」所属のリバデネイラも再選をかけて出馬している。
 

2017年2月15日水曜日

 ラテンアメリカ・カリブ核兵器禁止条約(トラテロルコ条約)調印から半世紀。記念式典でメキシコ大統領はトランプ米政権を厳しく批判、ラ米・カリブ諸国の連帯に感謝する

 ラ米核兵器禁止条約(通称トラテロルコ条約)が1967年2月14日、メヒコ外務省(当時の通称トラテロルコ)で調印されてから14日で50周年となった。今はフアレス大通りにある外務省で記念の外相会議が催された。

 条約は1962年10月のクーバ核ミサイル危機を教訓として生まれ、69年4月25日発効した。推進者のメヒコ外相アルフォンソ・ガルシア=ロブレスは82年、ノーベル平和賞を受章した。

 条約は後に「ラ米・カリブ核兵器禁止条約」と改名された。事務局「LAC(ラ米・カリブ)核兵器禁止機構」(OPANAL=オパナール)はメヒコ市にある。この日、第25回OPANAL総会(外相会議)が開かれた。今日、LAC33カ国全部が加盟、批准している。

 総会で演説したエンリケ・ペニャ=ニエト(EPN)墨大統領は、「世界は依然核兵器の危険に晒されているが、我々はLACを世界平和の約束の地として再確認する」と述べた。

 だが演説の力点は、トランプ米政権の対墨政策への批判に置かれた。大統領は、「強国を含むいかなる国も、国際社会の諸原則に反する独自の原則や意思を押し付けてはならない。国際関係は権利、敬意、対話に基づかねばならず、脅迫や実力に依ってはならない」と強調した。

 EPNはまた、「今新たに世界は我々LACの団結ぶりを観ている。LACが寄せてくれた連帯に、全メヒコ人民を代表して感謝する。メヒコは将来に亘ってLACの国だと、誇りを持って言う。困難な時の友こそ善き友と言われるが、メヒコは支持を受けて感動した。価値ある大きな支援だった」と語った。

 会場からは強い拍手が続いた。トラテロルコ条約は、その後の南太平洋、東南アジア、アフリカ大陸、中央アジア・モンゴルの各地域の核兵器禁止条約締結に繋がった。

 メヒコと、中米北部三角形3国(グアテマラ、エル・サルバドール、オンドゥーラス)の外相は今会議に先立つ13日メヒコ市で会合し、同3国からメヒコを経て米国に向かう移民希望者の扱いなどを協議した。

▼ラ米短信   ◎ドミニカ共和国(RD)でジャーナリスト2人殺害さる

 RDのサンペドロ・デ・マコリス市のラジオ放送局で2月14日、ルイス・マルティネス局長と、ニュースを読み上げていたルイス・メディーナ記者兼アナウンサーが侵入者に射殺された。女性秘書ダヤナ・ガルシアは重傷を負った。

 ドミニカ・ジャーナリスト協会(CDP)と全国報道労働者組合(SNTP)は、メディーナ政権に事件の早期解決を要請した。RDでは一昨年4月にも記者が殺害されている。

▼ラ米短信   ◎大量のベネズエラ紙幣がパラグアイで発見さる

 ベネスエラ通貨ボリーバル・フエルテ(bf)の50bf、100bf札を詰めた約500の袋(重さ30トン)が2月13日、ブラジル国境に近い、パラグアイ東部のカニンデジュー県サルト・デル・グアイラ市の武器商人の家で発見され、警察に押収された。

 警察は資金洗浄および犯罪関与の疑いで武器商人を逮捕、取り調べ中。紙幣は14日、首都アスンシオンの中央銀行に運ばれ、金額計算などにふされた。

 警察は、米国のDEA(麻薬捜査局)とベネスエラ当局と連携、事件解明に努める。ベネスエラ政府は、100bf札を2月20日に使用不可とすることを、本事件発覚前から決めている。

 Bf札は、ベネスエラ西部コロンビアの国境地帯、南部ブラジルの国境地帯で出回っている。だがなぜ遠いパラグアイに運ばれたのか、そこに関心が集まっている。
 
 

2017年2月14日火曜日

パラグアイ農民らが首都まで行進、政府・支配体制を告発

 パラグアイの首都アスンシオン中枢部で2月13日、「長い行進」(ラルガ・マルチャ)と名付けて、遠隔地からの数百キロに及ぶ道程を歩いてきた農民、先住民、労働者ら1500人が「新しいパラグアイ建国」を求めて抗議行動を展開した。

 参加者は、「新しいパラグアイ党」(PPP、エラディオ・フレチャ書記長)と、全国農民連盟(FNC、テオドリーナ・ビジャルバ幹部)が組織。6日、二派に分かれて北部のコンセプシオン市、東部のカニンデジュー県を出発、1週間かけて首都に到着した。

 合流した一行は大統領政庁前で、オラシオ・カルテス大統領を「略奪者」と呼び、退陣を求めた。カルテスは今年8月15日に5年の任期が切れるが、憲法を手直しして連続再選を可能にしようと工作している。人々は「即時退陣」を要求した。

 一行は国会前では、議員たちを「守銭奴」と呼び、「権力は腐敗まみれ、恥知らず、売国奴、反人民、麻薬汚染された政治家に奪われている」と糾弾した。カルテスには就任前、麻薬取引との関係した嫌疑がかけられていたが、うやむやにされた。最高裁判所前では、判事たちを「買収されている」と扱き下ろした。

 PPPのフレチャ書記長らは、先住民や貧農からの土地奪取、住民の強制移住、北部地域の軍事化、逮捕者拷問、強姦など「当局者による人民迫害」を告発した。同党は労農政権樹立を目指し、1996年結党された。「ピャウラ(新しい)」というグアラニー語を党名に用いている。

 一行はまた、差別状況、生活苦、土地無し状態、保健・教育への接近困難、住宅不足、恒常的失業、道路不備なども訴えた。財務相の邸宅付近にも押しかけ、「国有資産売却したコルテスの共犯者」と叫んだ。

 1980年代末まで故アルフレド・ストロエスネル将軍の長期軍事独裁が続いたパラグアイは、南米で民主度が最も低い国とされる。21世紀になってから初めて伝統的支配層に属さない、「解放の神学」派のカトリック司教上がりのフェルナンド・ルーゴ大統領が穏健な改革を進めた。だが支配層の画策で、正当な理由なしに国会で弾劾され解任された。

 この政変は「国会クーデター」と呼ばれる。この手法は16年8月末のブラジルの国会クーデターで踏襲された。ヂウマ・ルセフ大統領の労働者党(PT)に選挙で勝てない支配層が企てた強引な弾劾による政権奪取だった。

 パラグアイでは今年1月15~23日には、東部から首都まで200km余の「パラグアイ愛国の長い行進」が実施された。かつて独裁と闘ったパラグアヨ・クバス弁護士が行進を組織した。

▼ラ米短信   ◎米国がベネスエラ副大統領を麻薬犯名簿に加える

 米財務省は2月13日、ベネスエラのタレク・エルアイサミ執権副大統領を「麻薬組織首領名簿」に加えた。またベネスエラの政商で企業家のサマルク・ロペスを、同副大統領の「名義人」と特定、麻薬取引を実行していると指摘した。

 カラカスでは13日、ベネスエラ中国高級合同委員会が開かれたが、エルアイサミ副大統領は中国代表団と会合した。

 ドナルド・トランプ米大統領は12日、ペルーのPPクチンスキ大統領と電話会談した際、「ベネスエラの人道的状況を懸念している」と述べた。ラ米では、メヒコに続いてトランプに痛めつけられる国はどこかに関心が集まっているが、ベネスエラはメヒコに次いで名指しされた国となった。

 ベネスエラの保守・右翼野党連合MUDの代表団は最近訪米、ワシントンでベネスエラ政府を退陣に追い込むための根回し工作をした。それが奏功したとも言える。

 一方、ニコラース・マドゥーロVEN大統領は12日、「ベネスエラはラ米の安定と平和を支援する堅固な地だ」と述べた。