2015年4月10日金曜日

ベネズエラ大統領が新しい対米関係を樹立したいと語る

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月9日、「ベネスエラおよびラ米は自由と主権尊重の下で、米帝国との新しい時代への扉を開くことを希望し準備する」と述べた。

 バラク・オバーマ米大統領が8日、EFE(エフェ=スペイン通信)に対し、「ベネスエラが米国の脅威だとは思わないし、米国はベネスエラ政府の脅威ではない」と述べたのを受けて語った。

 マドゥーロは、オバーマ発言を評価し、「ボリバリアーナ社会主義国家ベネスエラを支援した人民と国際連帯の勝利だ」と讃えた。

 大統領は、カラカスで実施された「人民行進」が大統領政庁(ミラフローレス宮)に到着し、1034万人余りの署名簿を人民から受取る式典で語った。

 式典にはボリビアのエボ・モラエス大統領も出席し、署名した。ボリビアのアルバロ・ガルシア副大統領が13~15日訪日することが、この日明らかにされた。

 この署名は、オバーマが3月9日、政令で「ベネスエラは米国の脅威」と規定したのを撤回させるための「1000万人署名」運動の成果。

 オバーマはEFEへの発言で事実上撤回したが、マドゥーロはパナマ市での米州首脳会議の場で署名簿をオバーマに手渡すことにしている。

 マドゥーロは8日夜、カラカスで米国務省顧問トーマス・シャノンと3時間余り会談し、「我々は反米ではなく、反帝国主義なのだ」と述べ、両国の新しい関係を開こうと提唱している。

 大統領は会談後、シャノンに対し、カラカスの米国大使館内にある<戦争装置>を撤去するよう要求したと明らかにした。米大使館がベネスエラに対し「経済、政治、心理各戦争」を仕掛けてきたことを指している。

 マドゥーロはまた、「ベネスエラでクーデターの陰謀に加担しマイアミに逃亡している腐敗したベネスエラ人たち」の調書を米当局に渡すとシャノンに約束したことも明らかにした。

 ベネスエラと米国との政府間対話と関係改善の兆しに、野党連合MUDをはじめとする反政府勢力は打撃を受けた。