2015年11月4日水曜日

ラ米3国が国連の核兵器廃絶決議採決で棄権

 国連総会は11月2日、日本提案の核兵器廃絶決議を賛成156、反対3(中露朝)、棄権17で採択した。棄権国には、ラ米のクーバ、ボリビア、エクアドールの3国が含まれている。

 クーバは、フィデル・カストロ前国家評議会議長の時代から核兵器廃絶を熱心に訴えてきた。ここで棄権に回ったのは、経済援助を受けてきた中露に慮ったためと容易に想像できる。また北朝鮮とも友好関係を維持している。

 ボリビアは、エボ・モラレス大統領がこのほど、ロシアからの資金・技術援助による原子力研究所建設計画を発表したばかりだ。

 エクアドールは、国際金融界から締め出されており、特に中国に資金援助を仰がねばならない立場にある。

 中露と経済上の関係の深いアルヘンティーナのフェルナンデス政権が棄権しなかったのは、12月で政権交代となるからだ。ベネスエラは故ウーゴ・チャベス前大統領の核兵器廃絶路線を引き継ぎ、「米国と同じ棄権」の立場に身を置きたくなかったからだろう。