2016年11月28日月曜日

メキシコ人学生43人失踪事件から26ヶ月

 メヒコ・ゲレロ州イグアラ市一帯で2014年9月26~27日起きたアヨツィナパ教員養成学校生43人強制失踪事件および市民殺害事件から11月26日で26カ月が過ぎた。事件は未解明のままだ。

 この日、遺族、家族、学生、市民、人権団体などの300人はイグアラ市内を行進。検察庁支部、州政府支庁、州教育当局などに抗議した。

 首都メヒコ市でも遺族、学生らが「アヨツィナパ記憶行進」と銘打って目抜き通りを行進。「中米行方不明者の母たちの会」の母たちと抱擁し合い、励まし合った。

 特にグアテマラ、オンドゥーラス、エル・サルバドールの中米北部三角形3国から、米国行きを目指して何万人もの少年少女がメヒコに入り、行方不明になる。母たちは娘や息子を探しにメヒコにやってきて、当局に捜査や捜索を求めているのだ。

 学生、教員、知識人らは12月10日、アヨツィナパ校で人権擁護をめぐるフォーラムを開くことにしている。

 また遺族や支援者は11月23日には、首都にある国会下院を訪れ、事件解明を急ぐようあらためて要請した。ある遺族は、「政府は私たちを黙らせるため何百万ペソの現金で買収しようとしてきた。私たちは、人民が支援してくれる浄財1ペソを選ぶ」と語った。

 事件には陸軍、連邦警察など中央政府機関の関与の疑いが濃厚で、それが証明されれば、エンリケ・ペニャ=ニエト大統領には命取りになる。だから事件は解明されない、と世論は厳しく観ている。