カリブ海にある米国の植民地(自由連合州)プエルト・リコ(PR)島で6月11日、島の将来の在り方を決める住民投票が実施された。選択は①完全独立もしくは自由連合国としての独立②自由連合州としての現状維持③米国の51番目の州になる併合-。
昨年11月の知事選挙で当選したリカルド・ロセジョー知事と政権党PNP(新進歩主義党)は併合主義。これに対し、PIP(PR独立党)は完全独立、PPD(民主人民党)は自由連合国を目指している。
最近の世論調査では、52%が併合派、17%が現状維持、15%が両独立派だった。PIPとPPDは、投票ボイコットを呼びかけている。PR財政は、公共債務730億ドルを抱え、破綻している。そのような状況で島の将来を決めるのは無謀との批判がある。
PRでは1967、93、98、2012年の4回住民投票が実施され、今回は5回目。最初の投票から50年経っている。前回投票で初めて54%が「現状変更」に賛成した。ただし、住民投票には法的拘束力はない。決定権は米連邦議会にあるが、共和党はPRの第51州化に乗り気でないとされる。
投票結果は日本時間12日昼前に判明する見込み。投票率(もしくは棄権率)の高さに関心が集まっている。
▼ラ米短信 ◎ラウール・カストロ玖国家評議会議長は来年退陣する
ラウール議長の娘マリエーラ・カストロ(玖性教育センター=CENESEX=所長)は6月10日、スペイン・バスコ州で、地元放送に対し、「父が引退しないよう求める声があるが、高齢(86歳)の父は来年退陣する。ずいぶん前から準備してきたこと」と述べた。
バスコ州中心都市の一つビルバオでは、第14回バスコ州・クーバ連帯会議が開かれており、マリエーラは招待出席している。革命家チェ・ゲバラの娘アレイダ・マルチ医師も出席しており、「フィデル・カストロとチェ・ゲバラを模範として生きることが、両人への最大のオメナヘ(オマージュ)となる」と強調した。