今年のカンヌ映画祭最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた『アジェンデ、我が祖父アジェンデ』(90分)が9月4日からチレ首都サンティアゴで上映されており、好評を博している。
監督マルシア・タムブッティは、アジェンデの娘イサベル・アジェンデ=ブッシ現上院議長の娘。故サルバドール・アジェンデ大統領の孫娘だ。
1970年9月、社会党指導者だったアジェンデは、共産党などと人民連合(UP)を組んで大統領選挙に出馬、得票1位になり、議会内選挙で当選、11月就任。自由選挙で生まれた世界初の社会主義政権となった。
だが社会主義政策を敵視した支配階層、軍部、ニクソン米政権が連携、73年9月11日、ピノチェー陸軍司令官率いる軍事クーデターで倒された。アジェンデは辞任せず、政庁内で自殺した。
この映画は、家族・肉親の立場からアジェンデの素顔と、クーデター後の一族の胸の痛み、困難を描いている。