ペルーで9月13日、極秘扱いされていたビデオ動画が公開された。1992年9月逮捕された共産党系地下結社「センデロ・ルミノソ」(SL=輝く道)の最高指導者アビマエル・グスマーンが当時、仮収容されていたカヤオ港沖のサンロレンソ島の拘置所を、同年10月、ブラディミロ・モンテシーノスが訪ねた時の記録だ。
モンテシーノスは当時、アルベルト・フジモリ大統領の顧問。大統領に次ぐ実力者で、諜報機関を指揮していた。
画像には、同顧問が「何日か続くアカデミズムの対話を始めるに先立ち、何か必要なものはないか訊きたい」と切り出すと、囚人服姿を強制されていたグスマーンが「これを脱ぎたい。侮辱であり非合法だ」と応える場面が映っている。
グスマーンは、鉄条網を張り巡らされ重武装の海軍兵たちが警戒する一軒家に収監されていた。話し合いは、そこで行なわれた。顧問が「アカデミズム」を口にしたのは、グスマーンがアヤクーチョ大学の教授だった経歴を踏まえてのことだ。
2000年に強引に3期目に入ったフジモリ政権は同年11月崩壊、その後、フジモリもモンテシーノスも重罪で裁かれた。皮肉にもモンテシーノスは現在、グスマーンとともにカヤオ海軍基地内の重罪犯刑務所で服役している。
フジモリはリマで、「元大統領待遇」で服役中。来年4月の大統領選挙で娘ケイコが当選するのを期待している。