メヒコ・ベラクルース州オリサバ市の「200周年広場」で9月1日、昔の独裁者ポルフィリオ・ディアス(1830~1915)の銅像の除幕式が催された。元独裁者の銅像が公共の場に建立されたのは初めてと見られている。
ディアスは1876年から、メヒコ革命で追放された1911年まで35年間、権力を振るった。革命で追われフランスに亡命、パリのモンパルナスに墓がある。
政権党PRI(制度的革命党)所属のオリサバ市長フアン=マヌエル・ディエス=フランコスは自動車販売代理店主で、私財で銅像を建てたと表明。彫刻家ベルナルド・アルタサンチェスが制作した。高さ3・2m、台座高さ2mで、計5・2m。
除幕式にはディアスのひ孫5人も出席した。その傍らで、独裁者像設置に反対する市民たちは抗議デモをした。
一方、ベラクスール港の関係者は1日、オリサバにディアス像が登場したのを受けて、ベラクルース港湾管理局の倉庫にしまわれているディアス像を公共の場に出したいと述べた。
この関係者もオリサバ市長も、独裁者歿後100周年の今、メヒコ人の和解と、ディアスの遺骨の帰還を促すべきだ、と主張している。