2015年9月24日木曜日

★コロンビア内戦、半年以内に終結へ-歴史的合意成る-

 半世紀余り続いてきたコロンビア内戦が終結への最終段階に入った。フアン=マヌエル・サントス大統領と、ゲリラ組織FARC(コロンビア)革命軍のティモレオーン・ヒメネス最高司令は9月23日ハバナで会談後、遅くとも半年以内(2016年3月23日まで)に最終和平合意に調印すると発表した。

 双方はハバナで2012年11月から41回、和平交渉を続けてきた。貸座敷クーバのラウール・カストロ国家評議会議長が発表に立ち会った。大統領と最高司令は議長に促され、握手した。大統領の表情はぎこちなかったが、司令は笑顔だった。

 最大の問題は内戦当事者の断罪だった。決まったのは、外国人判事を含む「特別法廷」で治安部隊、FARCの双方の要員を裁くこと。内戦中に人道犯罪、虐殺、強姦などの戦争犯罪に関与したことを一定期間内に自発的に申し出た者には、禁錮5~8年の実刑が適用される。希望者は労働奉仕ができ、職業訓練が施される。

 罪を申し出ず捜査の結果、罪が判明した者には、最高20年の実刑判決が科せられる。政治的犯罪は恩赦の対象となる。

 FARC司令部要員ら幹部たちは、必ずしも処罰の対象にならない。FARC要員は和平合意調印後60日以内に武装解除のうえ武器を差し出す。

 FARCは政治組織に移行する。それを政府は支援する。

 玖米関係と並びラ米で最古の冷戦状況だったコロンビア内戦は、玖米国交正常化に続いて集結することになった。クーバが和平交渉の場となったことは象徴的だった。

 コロンビア国内には、アルバロ・ウリーベ前大統領に代表される大地主、準軍部隊、地方政治家ら、和平に反対する極右勢力があり、さまざまな妨害工作をしてきた。今後も破壊活動、対人テロなどが懸念されている。

【参考文献:伊高浩昭著『コロンビア内戦  ゲリラと麻薬と殺戮と』(2003年、論創社)】