2013年1月22日火曜日

マプーチェなど「先住民の存在を憲法で認める」とチリ大統領発表


★☆★チリのセバスティアン・ピニェーラ大統領は1月21日、先住民の存在を憲法で認める方針、および「多民族代表者会議」を創設する方針を発表した。

★26日から首都サンティアゴで、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC=セラック)と欧州連合(EU)の合同首脳会議が開かれる。欧州議会は昨年、チリ政府に、先住民最大民族マプーチェ人の人権や生活権に配慮するよう要請していた。大統領は首脳会議直前に、新たな措置の発表に踏み切った。

★マプーチェ人はスペイン人入植以来虐げられ、土地の大部分を入植者に奪われた。今日でも土地奪回闘争が続いているが、政府はピノチェー軍政期の悪法「テロリスト取締法」を盾に闘争を厳しく弾圧し、しばしば先住民側に死者が出ていた。

★マプーチェ人は、EU首脳陣の来訪をにらみつつ、今月16日、マプーチェ指導者会議を南部のテムーコ市で開いた。会議は、過去の先住民権利制限条約の見直し、自治権、土地返還、賠償、謝罪、軍・警察の撤退、弾圧の悪法適用撤回などを決議し、要求として政府に突きつけていた。

★マプーチェ人に代表される先住民への歴史的な差別問題は、「経済発展」を誇るチリ人が長年目をつぶってきた問題であり、「チリの恥」として今日まで存続している。