2016年4月10日日曜日

今日ペルーで大統領選、決選でのケイコの相手は誰かが焦点

 ペルーで4月10日、大統領選挙を中心とする「総選挙」が実施される。注目の大統領選挙(第1回投票)は、ケイコ・フジモリ(40歳、人民勢力=FP=候補、保守・中道右翼)の得票第1位は動かないと見られ、6月5日実施の「決選の相手が誰になるかを決める選挙」と位置付けられている。

 もちろん10日に1位得票者の得票率が50%を超えれば当選するが、それはありそうもない。2位で決選に進出する候補は、ペドロ=パブロ・クチンスキ=通称PPK=(77歳、変化のためのペルー人=PPK=候補、保守・中道右翼)と、ベロニカ・メンデサ(35歳、拡大戦線=FA=候補、中道左翼)のいずれかとなる公算が大きい。

 最新の支持率調査では、ケイコ38・2%、PPK19・9%、メンドサ18・9%。ケイコは昨年初めから一貫して支持率首位の座を維持してきた。前回選挙でケイコは決選に進出したが、現大統領オヤンタ・ウマーラに敗れた。そのウマーラは前々回選挙の決選に1位進出しながら、2位進出のアラン・ガルシア前大統領に逆転された。

 ガルシアは通算3期目を目指し出馬しているが、「腐敗した過去の政治家」と見なされ、支持率5位で、振るわない。

 1990年の選挙では、決選で2位進出の数学者アルベルト・フジモリ(ケイコの父)が1位進出の作家マリオ・バルガス=ジョサに逆転勝利した。こうした過去の例からケイコの決選勝利は不確かであり、ケイコ陣営は当初から決選勝利に的を絞り、有権者に拒否反応が強いフジモリ元大統領と娘ケイコを切り離す戦略を推進してきた。

 ケイコは8日、選挙戦の締めくくりで、「ペルーに欠けているのは強い指導力だ。私は<ズボンをしっかりとはいて>=指導力を十分に発揮して=政治を運営する。重大極悪犯罪者のため標高4000mの地に刑務所を造る」と訴えた。

 今選挙戦のさなか支持率が上位2~5位にいた有力候補2人が国家選挙審議会(JNE)によって出馬資格を取り消された。これにより、下位にいたメンドサが上位に浮上。2~4位の間を浮動していたPPKは2位に落ち着いた。

 メンドサが決選に進出すれば、女性同士の戦いとなり、いずれが勝ってもペルー史上初の女性大統領となる。メンドサは「人民の人民による人民のための政府」を謳い、新憲法制定や社会投資拡充を中心政策に掲げている。またケチュア語を話すこともあって、先住民や都市貧困層に人気がある。

 トレード前々政権で首相・経済相を務めた経済学者PPKは、財界、米財界が期待する人物。だが77歳と高齢なのが不安材料。

 最強のケイコは、現在の新自由主義経済路線に貧者救済のための社会政策を加えた「ポスト新自由主義」路線。かつて父親が手掛けた路線に手を加えたものだ。

 決選で相手がPPKならば、ケイコの農村部・地方部大衆層+中止企業と、PPKの都市富裕層・中産層+財界中央の戦いになる。相手がメンドサならば、彼女の「左翼政策」を嫌うPPK票を含む保守票がケイコに集まると予想されている。メンドサが勝てば<奇蹟>と見なされている。

 有権者は2300万人。副大統領2人、国会議員130人、アンデス議会議員15人も同時に選ばれる。米州諸国機構(OEA)を中心とする国際監視団が展開している。