2016年4月22日金曜日

ブラジル最高裁がルーラ官房長官就任判断を後回しに

 ブラジル最高裁は4月20日、ルーラ前大統領の内閣文官長(官房長官)就任の是非判断を延期することを決めた。次回の判断期日は決まっていない。

 この日報じられた2018年10月の次期大統領選挙出馬予想候補の支持率調査結果によると、労働者党(PT)のルーラ前大統領が21%で1位。2位は、環境保護活動家マリーナ・シルヴァ19%、3位はPSDB(伯民社党)のアエシオ・ネヴェス17%だった。

 この結果からもわかるように、今回のヂウマ・ルセフ大統領弾劾の動きは、ルーラ、ヂウマ2代4期続いてきたPT政権潰しの様相が濃い。特に保守・右翼のPSDBは過去4回敗北しており、「選挙で勝てないため国会クーデター(弾劾)に出た」とPTから非難されてきた。

 国営石油ペトロブラスや大手建設会社が絡んだ大掛かりな贈収賄事件には、政治家39人に関与がほぼ明らかになっている。その中には、PT、および最近までPTと連立与党を形成していたPMDB(伯民主運動党、中道・保守)およびPP(進歩主義者党、保守・右翼)の議員も含まれている。

 ヂウマが弾劾された場合、暫定大統領に昇格するミシェル・テメル、弾劾を推進してき下院議長、上院議長の3人はみなPMDB所属で、収賄容疑・嫌疑などがかけられている。だが、まとまな捜査を受けていない。ヂウマ、ルーラ両人だけがやり玉に挙がっている、極めて異常な弾劾および訴追の動きが独り歩きしている。

 大統領は21日、国連での気候変動条約調印のためNYに向かった。テメルは臨時大統領になっている。