カリブ沿岸および周辺の25カ国が加盟する「カリブ諸国連合」(AEC)の第22回外相会議が3月10日ハバナで開かれた。ラウール・カストロ玖国家評議会議長が歓迎の挨拶、次いでブルーノ・ロドリゲス玖外相を議長に討議に移った。外相22人が参加する盛会だった。
ロドリゲス外相は、1995年8月トゥリニダード&トバゴ(TT)でのAEC設立首脳会議で観光、通商、運輸の開発3本柱が決まり、後に災害対策と気候変動が追加され、重要案件5本柱となった経過を振り返った。さらに今外相会議に先立ち8日ハバナで、第1回AEC協力会議が開かれたことや、中露両国との協力の重要性に触れた。
最も注目されたメヒコのルイス・ビデガライ外相は、「米新政権との意見の明確な隔たりがあるが、我々は交渉過程にあり、必ずや良い決着を見るだろう」と述べ、AEC加盟諸国によるメヒコへの連帯に謝意を表した。
来年までの議長国に選ばれたベネスエラのデルシー・ロドリゲス外相は、「外部勢力からの内政干渉、覇権主義押し付けを糾弾する。メヒコに連帯する。国境の壁はラ米・カリブ全域に対する壁だ」と語った。会議は、域内の航空・海洋運輸接続強化などを謳ったハバナ宣言を採択し、閉会した。
ビデガライ墨外相は、9日ワシントンでハーバート・マクマスター大統領国家安全保障担当補佐官、ジャレッド・クシュナー上級顧問(トランプの女婿)らと会談し、ハバナに来た。ハバナでは、クーバ、ベネスエラ、コロンビア、ガアテマラの外相と会談した。
今会議で日本は、AECのオブザーバー資格が認められた。出席した薗浦健太郎副外相はジューン・スーマAEC事務局長、ロドリーゴ・マルミエルカ玖通商・外資相、ロヘリオ・シエラ玖副外相、コロンビア、グアテマラ、バルバドス3国外相と会談した。
薗浦副外相は、マルミエルカ同相との間で、クーバの米作技術協力とごみ収集車供与など総額22億円強の協力合意書に調印した。
ハバナでは続いて11日、カリブ共同体(カリコム)とクーバの第5回外相会議が開かれた。議長を務めたロドリゲス玖外相は、トランプ政権登場を踏まえて「米州の新たな試練の下での連帯強化」を強調、カリブ統合努力の一環としてクーバが近く「カナル・カリーベ」(カリブチャネル)というテレビ放送を開始することを明らかにした。カリコム・クーバは12月、バルバドスで第6回首脳会議を開く。
マルミエルカ玖相は、カリコムのコリン・グランダーソン事務次長に「経済協力合意第2議定書」を渡した。カリコム産品240品目とクーバ産品85品目を相互に自由化する合意が記されている。
2017年3月12日日曜日
2016年6月5日日曜日
第7回カリブ諸国連合首脳会議が「ハバナ宣言」採択
ハバナで6月4日、第7回カリブ諸国連合(AEC)首脳会議が開かれた。AECは「大カリブ地域統合」を目指して1994年設立され、カリブ海沿岸の25カ国(ラ米12、英連邦系12、スリナム)が加盟している。
この日85歳になったラウール・カストロ玖国家評議会議長が開会演説。「LAC(ラ米・カリブ)地域における帝国主義と寡頭勢力による反転攻勢に無関心であってはならない」と警鐘を鳴らし、マドゥーロVEN政権と、弾劾裁判中のヂウマ・ルセフ伯大統領への連帯を表明した。
さらに、ワシントンに本部を置く米州諸国機構(OEA)について「過去も未来も帝国主義の道具だ」と扱き下ろした。クーバは62年に追放されて以来加盟しておらず、「復帰する意志は毛頭ない」と表明している。
会議にはベネスエラ、スリナム、ガイアナ、パナマ、コスタ・リカ、エル・サルバドール、オドゥーラス、グアテマラ、ドミニカ共和国、ハイチ(暫定)の10カ国大統領、ジャマイカ、トゥリニダードトバゴなど英連邦諸国の首相らが出席した。
米植民地プエルト・リコ(PR)のアレハンドロ・ガルシア知事も招待出席。またアルバ、クラサオ、仏領ギアナ、ターカスカイコスなど協賛地域の首脳らも出席した。ガルシア知事は、PRハバナ代表部開設を検討中と述べた。
べエスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は首脳発言で、「米国はベネスエラ孤立化を狙ってLACに粗暴な圧力をかけている。これに屈してはならない」と警告した。
会議は「ハバナ宣言」と「2016~18年行動計画」を採択して閉会した。44項目から成る同宣言には、①小島嶼諸国が直面している試練と脅威を認識し対処②各国に独自の体制を選ぶ権利あり③LAC平和地域化宣言を確認④玖米復交支持し、経済封鎖な一方的措置を破棄するよう米国に要求⑤コロンビア内戦和平交渉支持⑥ハイチ危機克服努力支持⑦LAC核兵器禁止機構(OPANAL)規約に沿いつつ核軍縮促進⑧開通間近なパナマ運河第3水路祝福⑨CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)強化-などが盛り込まれている。
この日85歳になったラウール・カストロ玖国家評議会議長が開会演説。「LAC(ラ米・カリブ)地域における帝国主義と寡頭勢力による反転攻勢に無関心であってはならない」と警鐘を鳴らし、マドゥーロVEN政権と、弾劾裁判中のヂウマ・ルセフ伯大統領への連帯を表明した。
さらに、ワシントンに本部を置く米州諸国機構(OEA)について「過去も未来も帝国主義の道具だ」と扱き下ろした。クーバは62年に追放されて以来加盟しておらず、「復帰する意志は毛頭ない」と表明している。
会議にはベネスエラ、スリナム、ガイアナ、パナマ、コスタ・リカ、エル・サルバドール、オドゥーラス、グアテマラ、ドミニカ共和国、ハイチ(暫定)の10カ国大統領、ジャマイカ、トゥリニダードトバゴなど英連邦諸国の首相らが出席した。
米植民地プエルト・リコ(PR)のアレハンドロ・ガルシア知事も招待出席。またアルバ、クラサオ、仏領ギアナ、ターカスカイコスなど協賛地域の首脳らも出席した。ガルシア知事は、PRハバナ代表部開設を検討中と述べた。
べエスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は首脳発言で、「米国はベネスエラ孤立化を狙ってLACに粗暴な圧力をかけている。これに屈してはならない」と警告した。
会議は「ハバナ宣言」と「2016~18年行動計画」を採択して閉会した。44項目から成る同宣言には、①小島嶼諸国が直面している試練と脅威を認識し対処②各国に独自の体制を選ぶ権利あり③LAC平和地域化宣言を確認④玖米復交支持し、経済封鎖な一方的措置を破棄するよう米国に要求⑤コロンビア内戦和平交渉支持⑥ハイチ危機克服努力支持⑦LAC核兵器禁止機構(OPANAL)規約に沿いつつ核軍縮促進⑧開通間近なパナマ運河第3水路祝福⑨CELAC(ラ米・カリブ諸国共同体)強化-などが盛り込まれている。
2014年3月29日土曜日
季刊誌『トランジット』がカリブ海特集
豪華季刊誌『トランジット』第24号(講談社)が出た。「美しきカリブの海へ」と題したカリブ海特集で、クーバ、ジャマイカ、アイチ、ラ・ドミニカーナなどの魅力的な写真と文が詰まっている。
私は、インタビューを受けたが、「キューバ革命からキューバ危機へ」という項目で幾つか発言が紹介されている。
旅行者には興味深い「永久保存版」である。
私は、インタビューを受けたが、「キューバ革命からキューバ危機へ」という項目で幾つか発言が紹介されている。
旅行者には興味深い「永久保存版」である。
2013年6月30日日曜日
安間美香さんが立教ラ米研で゙、カリブ情勢を特別講義
カリブ海のTTを拠点に英連邦諸国とスリナムの情勢を観測している安間美香さんが6月29日、立教大学ラテンアメリカ研究所の、伊高浩昭担当「現代ラ米情勢」講座で、「カリコム諸国について-東カリブ諸国を中心に」と題して90分間、特別講義をした。
「日本カリブ交流年」の来年さまざまな記念行事が催されること、独自の認同(イデンティダー)を持つカリブ諸国はラ米といっしょくたにされるのを嫌っていること、中国が猛烈な勢いで進出していること、など興味深い話が続いた。
この講義内容は、いずれ文章の形で公表される見通し。
2013年4月28日日曜日
ハイチでのカリブ諸国連合首脳会議が宣言採択し閉会
ハイチのペチオンヴィル市で4月26日、第5回カリブ諸国連合(AEC/ACS)首脳会議が「AEC構想の再活性化-より強く団結したカリブ地域のために」を標語に開催された。
ハイチのミシェル・マルテリ大統領(会議議長)は開会演説で、「大カリブ地域が、加盟国とその多くの人民に影響を及ぼす諸問題を一致して考える好機だ」と会議の意義を強調し、国際社会におけるカリブ地域の存在を強化する必要を指摘した。
会議は同日、40項目の「ペチオンヴィル宣言」を採択して閉会した。宣言は、①3年前に大地震に見舞われたハイチの復興を引き続き支援②天変地異への救援態勢を強化③域内の文化的認同(イデンティダー)を強化④テロや麻薬密輸などに関する(米国による)一方的評価や特定の国の糾弾を拒否⑤米国によるキューバ経済封鎖の解除の必要⑥大カリブを愛した故ウーゴ・チャベスVEN大統領の貢献を讃え哀悼の意を表す-などが盛り込まれている。
宣言はまた、2月実施のグレナダとバルバドスの総選挙、および4月実施のベネズエラとパラグアイの大統領選挙を祝福した。
AECは1997年結成され、24ヵ国が加盟、11地域が準加盟している。他にエル・サルバドール、チリなどがオブザーバーになっている。
今会議にはハイチの他にラ・ドミニカーナ(ドミニカ共和国)、グアテマラ、オンドゥーラス(ホンジュラス)、コロンビア、メキシコ、チリの大統領が出席した。キューバからはミゲル・ディアスカネル第1副議長、ベネズエラからはエリーアス・ハウア外相が出席した。
2012年7月8日日曜日
カリコムが共通外交政策策定へ
☆★☆カリコム(カリブ共同体・共同市場)は7月3~6日、セントルシアの首都カストリーズで、第33回首脳会議を開き、加盟国の外交政策を一本化することで合意した。
★会議は統合促進、ハイチ支援、BRICSとの関係強化なども決めた。
☆ハイチのミシェル・マルテリ大統領は、フランス語を公用語に加えるよう提案した。
★カリコムは1973年に結成された。カリブ海英連邦12カ国、スリナム、ハイチの計14カ国、および英領モンセラトが加盟している。
★会議は統合促進、ハイチ支援、BRICSとの関係強化なども決めた。
☆ハイチのミシェル・マルテリ大統領は、フランス語を公用語に加えるよう提案した。
★カリコムは1973年に結成された。カリブ海英連邦12カ国、スリナム、ハイチの計14カ国、および英領モンセラトが加盟している。
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