2018年6月30日土曜日

 ベネズエラで5月、軍事クーデター計画が失敗、軍人ら逮捕▼米誌ブルームバーグ・ビジネスウィークが報じる▼ボゴタで謀議、米コロンビア両政府は情報把握▼アレアサVEN外相がカリブ歴訪▼コロンビア次期大統領がポンペオ米国務長官と会談▼ドゥケは南米諸国にウナスール脱退を呼び掛け

 米週刊誌ブルームバーグバーグ・ビジネスウィークは6月28日、ベネズエラ大統領直前の5月半ば、クーデター計画が暴かれ、軍人ら約10人が逮捕された、と報じた。同計画および、その謀議に関与した複数の人物の証言を基に記事を書いたという。

 それによると、関与者はコロンビアの首都ボゴタで謀議した。米コロンビア両政府は謀議の事実を把握していたが、具体的支援は避けた。だが某米企業が資金などを援助したという。

 計画は「憲法作戦」(OC)と名付けられ、決行者は「OC」の腕章をしていた。だが、謀略部隊内に潜んでいたと見られる二重スパイによって政府に情報が流れ、関与者は摘発された。

 作戦の狙いは、カラカスの大統領政庁(ミラフローレス宮殿)および主要軍事基地を急襲、ニコラース・マドゥーロ大統領を逮捕、政権から排除して、裁判にかけること。

 別の情報によると、逮捕者には将軍、大佐、中尉、軍曹、文民女性らが含まれている。逮捕者の一部は軍事法廷で反逆罪で既に起訴されている。

 マドゥーロ大統領が最近、軍部に盛んに忠誠を求めているのは、このクーデター計画を制圧してからのことだ。2013年4月以来5年余りの施政中、最も危険な政変の陰謀だたっと、大統領が認識している証左と、同誌は指摘する。

 トランプ米政権は、その後、米軍および有志諸国軍によるベネズエラへの軍事侵攻でマドゥーロ体制を倒す方向に重点を置いている。
 マイク・ペンス副大統領の28日までのラ米3国歴訪、とりわけ伯赤両国訪問の狙いは、侵攻計画への賛意を取り付けるためと見られている。

▼ベネズエラ外相がカリブ諸国歴訪

 ホルヘ・アレアサ外相は6月26~27日、アンティグア&バーブーダ、セントルシーア、セントヴィンセント&グラナディーン、セントクリストファー&ネヴィスの4カ国を歴訪。
 それぞれの首相、ガストン・ブラウン、アレン・チャスターネット、ラルフ・ゴンサルヴェス、ティモシー・ハリスと会談し、カリブ石油連帯機構(ペトロカリーべ)による原油優遇輸出量削減への理解と、マドゥーロ政権支持を求めた。

▼コロンビア次期大統領が米国務長官と会談

 訪米中のイバン・ドゥケは6月29日ワシントンでマイク・ポンぺオ長官、ジーナ・ハスペルCIA長官と会談した。

 次いで、米州諸国機構(OEA)本部でルイス・アルマグロ事務総長と会談した。会談後、ドゥケは南米諸国にウナスール(南米諸国連合、本部キト)からの脱退を呼び掛けた。
 加盟12カ国のうち、伯パラグアイ亜智コロンビア秘6か国は既にウナスール関係の会合や行事への出席や参加を取り止めている。

 「米国の声」(VOA)放送は29日、ドヶケは、マドゥーロ大統領を国際刑事裁判所にかけるべきだと述べた、と伝えた。これはアルマグロが先に唱えた主張を受けたもの。

 一方、コロンビア政府は29日、政党FARCに対し、ドゥケ次期政権の移行チームとFARCとの会合を設定する意思を表明した。

 FARCは同日初めて、真実究明・共生・二度と再び委員会に出席した。FARC党首ロドリーゴ・ロンドーニョ(通称ティもチェンコ)が首席として姿を見せた。この委員会は、2016年の和平合意に基づき設置されている。