☆★☆スペイン人テノール、プラシド・ドミンゴ(71)は7月9日、チリの首都サンティアゴの市営劇場で、チリ人ノーベル賞詩人パブロ・ネルーダ(1904~73)の人生の一時期を描いた物語のオペラで、ネルーダを演じた。大喝采を浴びた。
★ネルーダは1949~52年、政治亡命者として欧州に滞在したが、52年にはイタリア・ナポリ沖のカプリ島に身を置いた。チリ人作家アントニオ・スカールメタは85年、その時代のネルーダと郵便配達夫の交流を『燃えたぎる忍耐』という小説にまとめた。
☆この作品は94年、イタリア語で映画化され、「イル・ポスティーノ(郵便配達夫)」となった。これをメキシコ人脚本家ダニエル・カターンがスペイン語でオペラ化した。
★2010年からロサンジェルス、ウィーン、パリで上演され、好評を博していた。それが、ネルーダの祖国チリで初公演となった。
☆ドミンゴは、公演に先立ち、「1967年に初めてチリを訪れた際、ネルーダに会わなかったことが返す返す悔やまれる」と述べた。原作者スカールメタは、「ドミンゴはネルーダを完璧に演じ切った」と絶賛した。