2015年3月1日日曜日

ウルグアイのホセ・ムヒーカ大統領が別れ告げる

 ウルグアイのホセ・ムヒーカ大統領(79)は、5年の任期最後の日の2月28日、モンテビデオで支持者ら市民に別れを告げた。3月1日、後継のタバレー・バスケス前大統領に政権を渡す。

 3月3日には上院議員に就任し、国会から国政に取り組むことになる。

 ムヒーカは元ゲリラで、軍政の圧政に抵抗し、民政復活のため闘った。ネクタイは一切着用せず、法王、女王、大統領らの前でもどこでも開襟スタイルで通した。

 堕胎、同性愛者結婚、大麻を合法化し、クーバにあるグアンタナモ米軍基地内の強制収容所にいたシリア人ら囚人の身柄を引き取った。こうした人道的、文化的政策が国際社会で高く評価され、ウルグアイの国際的地位が著しく高まった、と評価されている。

 消費主義に警鐘を鳴らし続けた。対統領公邸に住むことなく、首都郊外の小さな農場の自宅に住み続けた。清貧を実践する極めて稀な政治家である。

 政権党・拡大戦線(FA)の政権はバスケス-ムヒーカと、連続2代10年間で、貧困率を40%から11%に減らし、失業率を6・5%に落とした。こうした実績にも基づき、バスケスが2期目の政権に入る。