2015年3月25日水曜日

某紙記事の史実認識に関し苦言を呈す

  某紙が3月25日、グアンタナモ米軍基地について特集記事を載せた。同基地ができた経緯について誤解を招く記述があるため、敢えて苦言を呈す。

 その記事には、「1898年の米西戦争で勝った米国がクーバ独立を助けた」という趣旨の記述がある。

 史実は、クーバが1895年開始した第2次独立戦争で、クーバがスペインに勝ちそうになりつつあった時、米国が介入し、独立戦争をクーバから奪い<米西戦争>に変質させた、ということだ。

 その結果、不本意な「独立」と引き換えにクーバは主権を大幅に制限され、事実上の属領と化し、グアンタナモを「租借」という形で奪われた。

 1959年の革命でクーバは主権を確立したが、グアンタナモは奪われたまま今日に至る。

 記者が本を読まなくなって久しい。一般論だが、不勉強ゆえの無知を「インヘヌオ」(ナイーヴ)という。記者たちには、勉強して、いい記事を書いてもらいたい。