ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は6月6日、ウィルス性の風邪をひき耳炎がひどくなったため、休養せよとの医師の勧告を受け入れて外遊を中止すると述べた。
大統領はローマでの国連農業食糧機関(FAO)会議に出席し、7日にはローマ法王に謁見する予定だった。
法王謁見はあらためて新しい日程を探り、FAO会議にはホルヘ・アレアサ副大統領(チャベスの女婿)が代理出席する。
ベネスエラでは、昨年、極右野党勢力が仕掛けた一連の街頭暴力事件(グアリンバ)や、今年起きた軍事クーデター誘発未遂事件の教唆犯などとして逮捕されたり起訴されたりしている反政府政治家ら77人の免罪・釈放を求める右翼・保守派の運動が続いている。
この運動は内外メディア、元外国政府首班らと連携し、力を増している。彼らは法王に、マドゥーロと会ったら77人釈放を働き掛けてほしいと訴えてきた。
大統領が「風邪で耳が痛い」のは、反政府勢力の攻勢によるのではないか、との見方もある。