2016年3月18日金曜日

米ドル決済実施確認後に10%税を廃止、とキューバ外相言明

 クーバのブルーノ・ロドリゲス外相は3月17日ハバナで記者会見し、バラク・オバーマ米大統領が15日発表した、米銀行を通じての米ドルによる決済をクーバに認めたことについて、実際に銀行が決済を実施するのを待ってクーバは、米ドルに対する10%課税制度を廃止する、と発表した。この10%税は2004年に導入された。

 外相はまた、オバーマ大統領の大まかな来訪日程を明らかにした。大統領は20日ハバナ入りし、旧市街を散策、大聖堂を見る。21日に公式日程が始まり、ホセ・マルティ像に花輪を捧げ、ラウール・カストロ議長と首脳会談、共同記者発表に臨む。ハバナリブレホテルでの両国経済人会合で演説。夜は公式晩餐会。

 22日にはアリシア・アロンソ=ハバナ大劇場で反体制派を含む市民社会代表と会合、演説する。この演説はテレビで全国中継される。その後、ブエノスアイレスに向かう。

 ロドリゲス外相は、オバーマ大統領は「尊厳を持つ市民が経済・社会開発に打ち込んでいる国、多くの国々にとっては夢想にすぎない成果を挙げた国を見ることになるだろう。訪問は、関係正常化過程で今後数カ月間に歩むべき道を示すのに役立つはずだ」と述べた。

 米大統領が「クーバの市民社会を支援する」と盛んに言っていることに関しては、「ならば経済封鎖を全面解除すべきだ」と返した。

 ハバナでは17日、フィンランドの対玖債権問題を解決する高官会合が開かれ、合意書が調印された。詳細は不明だが、債権をクーバの開発投資に回すことになる可能性がある。

 クーバ税務署は17日、自営業者約1万人が確定申告した、と明らかにした。昨年より11%増えているという。所得税支払いは4月30日まで。収入の10%は控除される。

 ニューヨークでは17日、第2回対玖商談米財界人会合が開かれ、200人が参加した。米国務省高官は、両国間で環境保護協定や民間航空協定が結ばれ、政府間対話が確立したことを成果として列挙した。両国間の直接郵便業務は16日、53年ぶりに再開した。

 因みにオバーマ大統領は22日夜ブエノスアイレスに到着。23日公式訪問開始、在亜・米商業会議所で演説。マウリシオ・マクリ大統領と、亜国建国の父ホセ・デ・サンマツティン将軍の銅像に花輪を捧げてから、首脳会談。その後、共同記者発表する。次いで、青年起業家らと会合。夜は公式晩餐会。

 24日は、1976年のこの日、故ホルヘ・ビデーラ将軍らによる軍事クーデターが起きた40周年記念日。1983年まで続いた軍政下で市民ら3万2000人が殺害された。
 
 オバーマは市内の「記憶公園」の人道犯罪犠牲者記念碑を参拝。クーデターに当時のフォード米政権、とりわけヘンリー・キッシンジャー国務長官らが関与したことについて何らかの発言をすることが予想されている。

 大統領は次いでアンデス山脈の保養地バリローチェに行き、そこから帰国の途に就く。