2017年2月4日土曜日

ペルーのトレード元大統領の2000万ドル収賄解明近づく

 ペルーのアレハンドロ・トレード元大統領(2001~06年)が2000万ドルの賄賂をブラジル建設大手から受け取っていた事実が明らかになり、逮捕間近と見られている。

 伯建設最大手オデブレヒトは昨年12月、米司法省との司法取引で、05~14年の期間のペルーでの公共事業参入に関連して総額2900万ドルの賄賂を支払ったと認めた。うち2000万ドルがトレード政権期、残る900万ドルはガルシア、ウマーラ両政権期に支払われた。

 英当局は2月初め、トレード政権期に支払われた2000万ドルが、トレードと密接な関係にあるユダヤ系ペルー人ヨセフ・マイマン名義でロンドンのシティバンクに預金されていた事実を確認した。

 マイマンは、同口座から引き出した資金で、トレードの義母(妻の母親)と共にコスタ・リカで「エコテバ」という不動産会社を設立、事業を展開していたとされ、この件でトレードも捜査されていた。

 トレードへの贈賄は、大西洋岸の伯サントス港から秘国太平洋岸の港を結ぶ「両洋間自動車道」の建設事業入札~落札時に支払われたもよう。

 PPクチンスキ現大統領は、トレード政権で経済相を務めたが、3日、「司法は誰にも公平に適用されねばならず、汚職があれば罰せられる」と述べた。ペルー警察は4日、リマ市内の高級住宅街にあるトレード邸を家宅捜査した。

▼ラ米短信   ◎エボ・モラレス大統領が博物館を開場

 ボリビアのエボ・モラレス大統領は2月2日、オルーロ州内の生地オリノカで、「オリノカ民主・文化革命博物館」の開場式を催し、演説した。その折、感涙にむせんだ。

 「民主・文化革命」とは、モラレスが過去10年間、推進してきた改革政策を指す。開館したのは、先住民族重視の新憲法制定、地下資源国有化、経済開発など施政の成果をまとめて展示する博物館で、大統領は故郷に錦を飾った形になる。

 総工費は710万ドル。総面積は1万平方m強。野党は「国費の無駄遣い」と非難している。

▼ラ米短信   ◎米政府が「対玖政策見直し中」

 ホワイトハウス報道官は2月3日、「トランプ政権は対玖政策全般の見直し作業を進めている」と明らかにした。「大統領は全世界の人々の人権保障に関与しており、人権が焦点となる」とも述べた。

 この日は、対玖経済封鎖発動55周年の日。報道官は、「目下、(具体的な決定などは)無い」と付け加えた。

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