2015年8月26日水曜日

グアテマラ元軍政首班リオス=モントの裁判は1月再開へ

 グアテマラ法廷は8月25日、元軍政独裁者エフライン・リオス=モント(89)の人道犯罪裁判を来年1月11日再開する、と発表した。被告は政権にあった1982~83年に先住民イシレス人1771人の虐殺命令責任を問われている。

 法廷は2013年5月10日、被告に禁錮80年の実刑判決を下したが、最高裁は、裁判手続きに不備があったとする弁護側の主張を認め、判決を無効とし、裁判のやり直しを命じた。

 その結果、ことし1月5日開廷されたが、弁護側が裁判官を忌避し閉廷。次いで7月23日開廷したが、弁護側は被告の痴呆症を理由に延期を求め、これが認められた。被告は8月4~11日、病院で精密検査を受け、痴呆症と診断された。

 これを受けて法廷は、1月の裁判は被告欠席、弁護団、検察、被害者遺族だけが法廷内に入ることを決めた。さらに、被告は有罪判決が出ても収監されないことが決まった。

 また、2013年の裁判で「上官の命令を受け実行したため無罪」とされた元諜報機関長官ホセ・ロドリゲス被告も、虐殺実行で再び裁かれることになった。

 一方、検察庁は25日、大規模な税関絡みの贈収賄事件の頭目格とされる前副大統領ロサーナ・バルデッティ被告の初公判で冒頭陳述し、被告は2014年5月8日から今年4月16日まで事件に関与した、と指摘した。

 この事件ではオットー・ペレス=モリーナ大統領(退役将軍)も起訴されており、国会での不逮捕特権剥奪による裁判か辞任かの瀬戸際に立たされている。