ラテンアメリカ諸国の新聞や放送は8月12日、九州電力川内原発1号機が11日再稼働したニュースを外電を基に一斉に報じた。見出しの多くは、東電福島原発放射能漏れ大惨事から4年5カ月しか経っていない時点での再稼働であることを指摘している。
スペイン通信EFEは、福島原発事故の責任があいまいのままであることへの批判がある事実を指摘。日本人の多くは、もう一度、同様の大惨事に見舞われる可能性を怖れているとし、反対世論が強いことを挙げる。
EFEはまた、日本人には広島・長崎の被爆の記憶が鮮明であることにも触れている。
フランス通信AFPは、日本人には福島原発事故のトラウマがあり、再稼働が適切か否か異論がある中で再稼働がなされた、と指摘した。
ドイツ通信DPAは、日本人の多くは再稼働に反対している、と書いている。
米通信APは、福島事故被災地域の住民がいまだに10万人も避難先での生活を余儀なくされていることに触れている。
メヒコ通信NOTIMEXは、日本人は10人中6人が再稼働に反対している、と指摘した。
中国通信・新華社は、反原発感情が依然強い中で再稼働がなされた、と伝えた。
広島・長崎の被爆70周年記念日の直後にして、敗戦70周年記念日の直前の時期を選んで、なぜ再稼働させる必要があったのか。この日本政府と日本企業の無神経への強い疑問が、通信社などの報道の行間から伝わってくる。