アルヘンティーナでは10月25日大統領選挙が実施されるが、その予備選が8月9日実施された。最終的な得票率は集計されていないが、ペロン派左翼のクリスティーナ・フェルナンデス現大統領の政治運動「勝利のための戦線」の候補ダニエル・シオーリ(ブエノスアイレス州知事)の優勢が確実視されている。
シオーリは現政権の社会政策重視路線を継承するとしながらも、「直すべきは直す」と言っており、経済や外交の政策立て直しを図りたい構えを見せている。
2位は、新自由主義を掲げる対抗馬のマウリシオ・マクリ(ブエノスアイレス市長)。「共和国提案」(PRO)党首で、保守・中道・右翼の連合「カンビエモス(変革しよう)」から出馬する。財界保守は、1990年代のカルロス・メネム政権のような新自由主義の再来をマクリに期待している。
この連合には、中産層の伝統政党、急進市民同盟(UCR)も参加している。
3番手は、ペロン派反主流派「新しい亜国のための団結刷新戦線」(FRUNA)のセルヒオ・マッサ候補。
大統領選挙では、得票率45%以上、もしくは40%+2位に10ポイント差、で当選できる。この条件を満たす者がいない場合は、上位2候補が決選投票に進出する。
このためマクリは第一回投票で食い下がって、12月27日に予定される決選に持ち込み、反シオーリおよび反フェルナンデス票をまとめて逆転当選する可能性を探っている。