クーバ革命の指導者フィデル・カストロ=ルスは8月13日、満89歳の誕生日を迎えた。ボリビアのエボ・モラレス、ベネスエラのニコラース・マドゥーロの両大統領がハバナに馳せ参じ、祝福した。3人は車でハバナ市内を回り、祝福する市民らに挨拶を送った。
この日、共産党機関紙グランマは1面に「現実と理想」と題したフィデルの文章を掲げた。その中でフィデルは、玖米国交樹立を肯定しながらも、米国を念頭に置いて、長年の敵対政策によって及ぼした害悪に対する巨額の賠償金をクーバに支払うべきだ、と強調した。
ジョン・ケリー米国務長官は14日、ハバナの米大使館を公式に開くため、連邦議会議員ら19人を伴って来訪するが、その前日、フィデルは米政府を牽制したわけだ。フィデルの主張が、実弟ラウール・カストロ国家評議会議長の言い分を代弁しているのは言うまでもない。
また、ベネスエラとボリビアから大統領が駆けつけたことは、米国と復交したクーバがラ米友邦との密接な関係を維持していることを内外に示す効果を持つ。
マドゥーロは、「解放者シモン・ボリーバルの大地から、ボリバリアーナ革命の指導者ウーゴ・チャベスの精神をもって」フィデルを祝福した。モラレスは、「我々の革命の長兄フィデル」を祝福した。ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は祝賀のメンサヘ(メッセージ)を送った。
プエルト・リコ、ロシア、インド、ヴェトゥナム、南アフリカなど、世界各地でも祝賀行事が催されている。
【最後にクーバを訪問した米国務長官は、トゥルーマン政権のエドゥワード・ステティニウスで1945年。ケリーは70年ぶりの訪玖となる。】