2015年8月18日火曜日

米州人権委派遣団がメキシコ当局の対応を厳しく批判

 メヒコ・ゲレロ州イグアラ市で昨年9月26日発生した教員養成学校生43人強制失踪事件の捜査に協力している米州人権委員会(CIDH)専門家派遣団は8月17日メヒコ市で記者会見し、メヒコ検察庁の対応を厳しく批判した。

 イグアラ市に駐屯する陸軍第27大隊基地の将兵らは学生事件当日、避難してきた学生らと対面しながら避難を拒否した。CIDH派遣団が同大隊にこの件について直接事情聴取を求めたところ、検察庁から拒否された。同庁は、質問状を提出するよう求めたが、派遣団はこの間接的な事情聴取を拒絶した。

 派遣団はまた、検察庁は学生らの衣類を発見していながら、これを証拠品として提示しないでいた、と批判した。派遣団は6月29日に初めて衣類の存在を知り、提示を求めた。衣類はその後、オーストリアのインスブルック大学の法医学研究所に送られ、調査されている。

 検察庁は、事件捜査や関係者に対する尋問の様子を写したビデオを確保していたが、これも証拠として提示されることなく、破壊されてしまったもよう、と派遣団は指摘した。

 ゲレロ州サルティアンギス村の路上で8日、学生事件調査に協力していた人権活動家ミゲル=アンヘル・ヒメネス=ブランコの他殺体が発見されているが、派遣団はこの事件を糾弾し、当局に早期解明を求めた。

 派遣団は9月6日、事件調査の最終報告を発表する予定。